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『ドラクエ3』魔物を引き寄せる「おうごんのつめ」でバラモス討伐を目指すとどうなる?

マグミクス / 2023年2月28日 19時40分

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■女武道家が「おうごんのつめ」に魅入られ手放さない、という設定

 1986年の第一作発売から現在にいたるまで、RPGの代名詞的な作品として遊ばれている「ドラゴンクエスト」シリーズ。「ファミコンRPG最高傑作のひとつ」と評価される『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下、ドラクエ3)は、今年2023年で発売から35周年となります。この機会に、久しぶりにファミコン版をプレイしました。

 以前、序盤で78000ゴールドもする「あぶないみずぎ」を購入するというプレイをしましたが、今回は武闘家用の最強武器だが、モンスターの出現率が大幅に上がる「おうごんのつめ」にこだわってプレイを進めていきます。

 というわけでRPGらしく、脳内ストーリーで「解釈」してみましょう。

* * *

 私は勇者アリエル。勇者オルテガの息子として育てられたが、実は娘だ。

 母やアリアハンの王様だけでなく、賢者になりたくて悟りを開こうとしている仲間の戦士ライアスや、商人になるのが夢の魔法使いロミオから、男扱いしかされないのが悲しくて「あぶないみずぎ」を購入、恥を忍んで披露した。

 ライアスは電撃に撃たれたような顔をして「煩悩退散」を繰り返し、ロミオは珍しく真顔で「そんなに男性として扱われることが辛かったのですね。貴女には悪いことを申し上げました」と、まともな口調で頭を下げられた。調子が狂うけれど、一応目的は達したので、水着を売り払った。58500ゴールドもの大金が戻ってくる。何に価値を見出しているんだ?

 もっと問題なのは、女武道家のシレネアがピラミッドで入手した「おうごんのつめ」に魅入られてしまったことだ。おうごんのつめを入手してから、魔物にやたらと襲撃されるようにもなった。

 宿屋に泊ると夢にミイラおとこが出てきて「かえせーかえせー」と連呼される。でもシレネアはうっとりした目で「この子、サイコー」と、抱いて寝ており、絶対に手放そうとしない。私はシレネアにおうごんのつめを渡したことを後悔したが、どうにもならない。

 ポルトガで船を入手したが、大海原のあちこちから白波を立てて、海の魔物が集まってくるのが見える。何とかしなくては……。

 ひたすら戦いつつ、航海を進めると新大陸に到達する。上陸してしばらく行った所に老人がいて「ここに町を作りたいので、協力者として商人を連れてきてほしい」と言った。魔法使いのロミオが決意した顔をして「アリエルさん、私はダーマ神殿で商人になり、この方に協力しようと思います」と言う。いつもは老魔法使いのコスプレをして、ふざけている彼が、すごく真剣で戸惑う。

 私が引きとめると、ロミオは「私は貴女のために、町を作りたいのです」と言う。戸惑う私に、ロミオは「貴女が貴女らしくありたいことが、水着の件でわかりました。でも、貴女は故郷ではオルテガ様の息子と認知されていて、それができない。私は貴女らしく生きられる場所を作りたい」と目を放さない。こいつ、普段はコスプレしていないといられないほど、照れ屋なのに……。

 私の動揺を無視し、ロミオはルーラでダーマに行くと、その場で商人となった。おじさん商人の姿にコスプレするところが彼らしい。ロミオが老人のところに行き、放心状態となっていた私に、パーティに戻ってきた僧侶ニコライが、珍しく口を開いた。

「アリエル様。我々はスーの村に到達しましたが、おうごんのつめの呪いでポルトガから100回近く戦闘しています。消耗が激しくてバラモスを倒すどころではないかと。でも、どれほど敵が出ても問題ないほど、強くなれる秘策があります」
「秘策?」
「はい。アリエル様は28レベルになりましたね。なので、大変申し訳ないですが、一旦死んでください。それで我々は修行できます。ご免!」
「はい?」

 何を言っているのか理解できないうちに、ニコライはザキの呪文を唱え、私は絶命した。

ちょうど「レベル28」で女勇者は「殺害」されてしまうが、これは「おうごんのつめを持ったまま、魔王討伐」のための下準備(?)だった

 目を覚ますと、ダーマ神殿にいた。ライアスとシレネアは何か、雰囲気が違う。ニコライは賢者になっていた。話を聞くと、ニコライがライアスを騙して「さとりのしょ」を取り上げ、賢者となったらしい。ニコライに「貴方では悟れませんから、宝の持ち腐れです」と言われたライアスは悔しくて、魔法使いと僧侶を極めた後に、戦士に戻ったそうだ。私が死んでいる間に、ライアスと付き合っていたシレネアも同じことをしてから、武道家に戻ったとのこと。

「わたしたち、レベル1になりましたっ」 そういうシレネアの「たいりょく」は102もあった。お前たちのどこがレベル1なんだ……。
「全ての呪文を取得した、私たち3人で貴女をお守りします。おうごんのつめでどれだけ敵が出たとしても、全て倒して進むのみ」

 心強すぎる仲間に守られて、私の冒険が再開した。

* * *

 こんな脳内ストーリーをもとに、パーティの登場人物になりきって「おうごんのつめを持ったまま、魔王討伐の旅」をスタートします。ファミコン版では、パーティの先頭キャラクターが28レベルの時に、せいすいかトヘロスを使い、スーの村の西方にある平地を歩くと、経験値の高い「はぐれメタル」しか出現しなくなる裏ワザがあるのです。先頭に置いた28レベル勇者を「殺害」して、残りの3人のレベル上げをしたわけです。

■気が遠くなるほどの数の戦闘、獲得した経験値は?

通常プレイと異なり戦闘の回数が大幅に増えるので、「らいじんのけん」など、呪文の効果を発揮できる武器を効果的に使う

 魔法使いの「どくばり」やバイキルトの2倍ダメージ攻撃でレベルを稼ぎ、ドラゴンに変身して炎を吐く「ドラゴラム」の呪文を取得してからは、ドラゴラムではぐれメタル狩りを続けました。おうごんのつめで敵出現率が上昇しているため、そこそこ戦闘できますが、相手が逃げまくるので苦労します。

 単調な戦闘が続くので、たまにグリンラッドでひょうがまじん狩りをして「ふしぎなぼうし」を入手したり、種集めもしたりしました。賢者が全呪文を取得したのでパーティから外し、魔法使い→僧侶に転職したふたりに経験値を集中させます。全呪文を取得した僧侶ふたりを、戦士と武道家レベル1に転職させたので、いよいよ「おうごんのつめを装備したまま、魔王討伐」の始まりです。クリア時に何レベルになるでしょうか。

 ランシールで「きえさりそう」を買い、エジンベアに侵入。パズルを解いて「かわきのつぼ」を入手し、「あさせのほこら」で「さいごのカギ」を手に入れます。

 やまたのおろちを討伐し、サマンオサ南の洞窟に挑みます。宝箱が点在する広いこの洞窟とおうごんのつめの相性は最悪で、無数の戦闘を重ねたことで、22レベル(経験値60788)だった戦士ライアスが27レベル(経験値131957)に上がり、2万8446ゴールドも増えました。

 サマンオサ王に化けたボストロールとの戦闘は、リセットを繰り返しました。256分の1の確率で戦士最強武器「らいじんのけん」を落とすからです。

 幸運にも46回のリセットで入手したので、勇者に装備させて「ちきゅうのへそ」に向かいます。「らいじんのけん」は強力な攻撃呪文「ベキラゴン」を無限に使えるため、勇者ひとりでも無人の野を行くがごとし。何の苦もなくブルーオーブを入手します。テドン、かいぞくのいえでもオーブを入手。

 オーブを入手する度に、商人ロミオの町「ロミオバーク」が大きくなっていきます。脳内ストーリーだとこんな感じ。

* * *

 私は「私のために町を作る」といったロミオが気にかかっていた。折にふれて、彼の町「ロミオバーク」を訪れた。ロミオは鬼気迫るほど働いていて、彼の町は凄い勢いで大きくなった。私の居場所を作りたい、という彼の心根はいつも真剣で、胸がじんわりとした。

 でも、引っかかるところもあった。彼が作った劇場には悪徳商人がいて、劇場を出るときに5万ゴールドを要求された。商人は私がロミオの知人と知ると、要求を引っ込めた。

 町の老人に話すと「ロミオはやりすぎて、町の人の反感を買っているらしいのじゃ」と言う。心配になって彼の居場所に向かうと、大きな屋敷が立っている。ロミオは本当に嬉しそうに、私に「よく来てくれました。この町もようやくそれらしくなってきたでしょう」と笑いかけた。町の出来事を言うと、悲しい顔で「うまく、皆と話してみます」と言う。

 本来の彼は、照れ屋で口下手。うまくやれるだろうか。心配でならず、レッドオーブを入手した後で、ロミオバークの町に行くと、革命が起こっていた。町の人は「もうロミオだけの町ではない」と言い、子どもは「ロミオがお兄ちゃんたちの仲間だったって、嘘だよね」と言う。

 投獄されていたロミオに会うと「やぁ、アリエルさん。私ですよ。ロミオです。私は皆の為と思ってやってきたのですが、このありさまです」と目を伏せた。彼は、私の冒険に役立つと思い、強引な手段でイエローオーブを入手して反感を買ったようだ。

 後悔の色なくイエローオーブの隠し場所を話すロミオに、誠意を感じ、私は涙した。

「さいごのカギ」で彼を助けようとして、拒絶されてしまう。「私が決めた、この町のルールを、私自ら破るわけにはいきません。定められた期限を過ぎたら釈放されます。今は、こうして、アリエルさんの旅の無事を祈って、暮らすこととしましょう」と言い、彼は微笑んだ。私は、世界を救ったら、ロミオのところに戻ると決めた。

* * *

 ロミオはルイーダの酒場の初期登録キャラクターなのでカタカナ名で、シリアスな脳内ストーリーでも緊張感がそがれないのはいい感じです。

 というわけで、イエローオーブを入手し、幽霊船もクリアして、最後のオーブを手に入れるためにネクロゴンドの洞窟に進みます。「じごくのきし」が幸運にも「ふぶきのつるぎ」を落としたので「らいじんのけん」と合わせての呪文攻撃が可能となり、MPが節約できます。

 とはいえ洞窟は広く、気が遠くなるほどの戦闘を繰り返します。29レベル(経験値18万524)だった戦士ライアスは、洞窟のクリア時に34レベル(経験値33万8506)にアップ。計6万3465ゴールドを入手しました。きっと、洞窟の入り口からモンスターが列を為しているのでしょうね。この時点で、レベルは勇者38、戦士34、武道家33、賢者46です。

念願だった「バラモス討伐」を達成した女勇者だったが、またしても「オルテガのむすこ」と讃えられてしまう

 魔王バラモスの城は、なぜか敵の出現率が通常のままで、異常に楽に感じました。魔王バラモスは「この大魔王バラモスに逆らおうなど、身の程を弁えぬ者たちじゃ」と言います。いつから大魔王になったのだろう……? 音楽も中ボスと一緒なのに。

 バラモスを倒すと「さすがオルテガの息子」と、王様も町の人も言います。くっ女勇者……泣けるで。そして、王様の所に不気味な声が響き、声の主は「わっはっはっ! わしは闇の世界を支配する大魔王ゾーマじゃ。このわしがいる限り、やがてこの世界も闇に閉ざされるであろう」と宣言しました。「わっはっはっ!」……なにか明るくて微笑ましい笑い声ですね。

 アリアハン王は、意気消沈し、大魔王ゾーマのことを秘密として、下がれと仰る。ゾーマ討伐を命じなくていいのでしょうか……。

 そんな感じで、新たな魔王が出現したところで、今回はここまで。

 バラモス討伐時のレベルは勇者39、戦士36、武道家35、賢者47レベル。攻略サイトでの推奨レベルは勇者34(経験値28万7344)なので、39レベル(経験値53万1771)は、だいたい2倍というところでした。

(安藤昌季)

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