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生まれるのが早すぎた? もう二度と遊べない「幻のドラクエ作品」を知っているか

マグミクス / 2023年12月27日 21時50分

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■DLCの先駆けともいえる『BSドラクエI』

「ドラクエ」シリーズの移植作品やリメイク作品は数多く発売されていますが、『BSドラゴンクエストI(以下、BSドラクエI)』というタイトルをご存知でしょうか。

 これはスーパーファミコン(以下、SFC)のBSデータ放送受信機「サテラビュー」向けのゲームコンテンツで、1996年2月4日から3月1日までに全4話が配信されました。

「並んでもゼッタイ買えない、ドラクエ」と銘打たれた『BSドラクエI』はコンテンツの特殊性もあってプレイした人数はそれほど多くなく、現在は遊ぶことができない「幻のドラクエ作品」と言われています。

 当時この『BSドラクエI』を楽しむには、1995年に発売された「サテラビュー」というSFC用の周辺機器が必須でした。「サテラビュー」とは衛星データ放送を受信するための端末で、専用ゲームソフトも配信されています。言ってしまえば1990年代のSFCでダウンロードコンテンツを実現させたのが「サテラビュー」なのです。

 この『BSドラクエI』はサテラビュー専用のゲームコンテンツとして、期間限定で配信されました。BS音声放送によるラジオドラマとゲームを連動させた「サウンドリンクゲーム」と呼ばれ、ラジオ音声によるボイスやBGMを聴きながら、『ドラクエ1』の特定のシナリオが楽しめる内容になっています。

 一部のキャラクターのセリフにはボイスまで用意され、ローラ姫役をタレントの細川ふみえさん、精霊ルビス役を人気声優の松本梨香さんが演じるなど、ほかにも豪華キャストが多数起用されました。また、ゲームのBGMには迫力あるオーケストラ音源が使用され、とくに「音」の面にこだわって作られたゲームコンテンツです。

 配信自体は全4話のストーリーに分けて行われ、1週につき1話ずつ放送するという構成になっています。1話あたりの配信時間は1時間で、決められた日時に放送されるラジオドラマ番組を聞きながら、このコンテンツ用に用意された『ドラクエ1』をプレイするといった内容です。

 各話のベースになっているのは、SFC版『ドラゴンクエストI・II』のリメイク版『ドラクエI」で、さらにこのコンテンツ用にさまざまな改良が加えられていました。

 たとえば初期装備として、いきなり「どうのつるぎ」がもらえたり、会心の一撃が出やすくなっていたりするなど、時間制限のあるコンテンツならではの調整が行われています。

■『BSドラクエI』ならではのオリジナル要素も充実!

『BSドラクエI』の第4話は、竜王を倒すのが最終目標となる! 画像は「ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー 竜王」(スクウェア・エニックス)

 もちろん原作版にはない、『BSドラクエI』ならではのオリジナル要素も用意されていました。

 たとえば、各話ごとに設定されたシナリオ目標「きょうのもくひょう」をクリアしつつ、主人公のレベルアップやゴールドを稼ぐなどすると「ランキングポイント」が得られます。

 また、マップの至るところに隠された「しあわせのメダル」というオリジナルアイテムを集めることも、原作版にはない目的のひとつです。

 獲得した「ランキングポイント」や「しあわせのメダル」の数は受信カセットに記録され、第4話の最後に表示されるパスワードを郵送することで、ランキングイベントに応募できました。そして成績優秀者には特製のペーパーウェイトが贈られています。

 ほかにも、ある時間になるとプレイヤーが有利になる「ラジオドラマ連動イベント」が発生するシステムも存在しました。このようなリアルタイム性の強いゲーム内イベントは、今思えばオンラインゲームの先駆けのような発想に感じられます。

「サテラビュー」という特別な周辺機器が必須だったため、実際に『BSドラクエI』を遊んだ人はそれほど多くはないでしょう。もしかすると、このタイトルの存在すら知らなかった人もいるかもしれません。

『BSドラクエI』が挑んだことは、今のオンラインゲームなら当たり前のようにできることばかりですが、90年代の当時は、革新的だった試みが詰まったコンテンツだったのです。

(マグミクス編集部)

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