異変? この春にゲームファンが「悲鳴」をあげているワケ
マグミクス / 2024年4月7日 18時10分
■いま湧き上がる悲鳴のきっかけは、2月に始まっていた!?
ようやく気温が高まり始め、桜の開花を迎える地域も増えました。ようやく訪れた春らしい日々に、心を和ませている人も多いことでしょう。
ですが、一部のゲーマーたちはこぞって悲鳴をあげ、うららかな春とは全く無縁の日々を送っています。果たしてこの春、彼らに何が起きているのか。同じ事態に直面しているひとりとして、筆者の視点を交えつつ実態に迫ります。
●徐々に進行していた、悲鳴に至る展開
悲鳴といっても、何らかの事件や不幸が起きているわけではないので、どうかご安心ください。ですが、率直な心境としては、まさしく「悲鳴」以外の何者でもありません。
発端の時期は人によって異なりますが、今年の2月2日に発売された『ペルソナ3 リロード』という人もいます。人気シリーズの復活と変革を担った名作をフルリメイクした本作は、ファンから新規ユーザーまで惹きつけ、大いに話題となりました。
また、2月29日発売の『ファイナルファンタジーVIIリバース』が悲鳴を上げるきっかけになった人も多数いるでしょう。こちらも名作のリメイクですが、原作と異なる描写の数々が物語の結末を予想させず、プレイする手がコントローラーから離れてくれません。
ですがここまでなら、該当する一部のユーザーも平和なまま終われたのだと思います。しかし、現実は常に想像を上回るもの。両作品の濃密なプレイが終わる暇もなく、3月に新たな刺客が訪れます。
●一部のゲーマーをKO寸前に追い込んだ3月
3月の刺客は、これも人によって定義が違いますが、この月はまず3月8日発売の『ユニコーンオーバーロード』で幕を開けたといっていいでしょう。本作は、職人芸とも呼ばれる卓越したゲーム開発でファンから支持を集めるヴァニラウェアの最新作。相性の組み合わせによる奥深い戦略と、短時間で決着がつくスムーズなバトルは、これまでにないSLGとして興奮と刺激をもたらしました。
路線は一気に変わりますが、世界的に知られるヒロイン「ピーチ姫」が単独主人公として活躍する『プリンセスピーチ Showtime!』も発売され、ゲームファンを沸かせます。舞台ごとにさまざまな役柄に変じるピーチ姫と、それによって変化するアクションは千差万別で、新たな魅力を開花させました。
この『プリンセスピーチ Showtime!』が発売された3月22日は、カプコンが放つシリーズ最新作『ドラゴンズドグマ 2』や、19世紀の日本の日本を舞台とする『Rise of the Ronin』のリリース日でもありました。この2作品はどちらもオープンワールドのアクションRPGで、プレイに没頭すると再現なく時間が溶けていきます。
ここまで2月と3月に登場した話題作を取り上げましたが、察しの良い人はすでにお気づきのことでしょう。ジャンルこそさまざまですが、いずれもボリューム満点のゲームばかり。それが間隔を空けず、短期間にこれほど連続的に発売されるのは、1年を通してみてもかなり稀な事態です。
『ペルソナ3』はこれまでリマスター化やPSP版はあったものの、本格的なリメイクは今回の『ペルソナ3 リロード』が初でした。また、『FF7 リバース』は前作と比べてボリュームが格段に増しており、探索要素からミニゲームまで全ての面でパワーアップを遂げ、全要素を満喫しようと思ったら100時間を超えるほどの濃密さです。
2月の新作だけでも時間が大きく奪われるのに、遊びごたえ満点の『ユニコーンオーバーロード』、ピーチ姫の新たな魅力を描く『プリンセスピーチ Showtime!』、前作の弱点だったフィールドの狭さを大幅に改善した『ドラゴンズドグマ 2』、手に汗握る剣戟アクションをオープンワールドで表現する『Rise of the Ronin』と、時間泥棒と呼べるラインナップが続々と押し寄せてきました。
こうした期待作や話題作のラッシュが続き、プレイ中のゲームが終わる間もなく、遊びたいゲームが次々に襲い掛かってくる──こうした状況にハマった一部のゲーマーたちが、「とても遊びきれない!」と嬉しい悲鳴を上げる状況に追い込まれているのです。
■話題作の猛攻はまだ終わらない! 4月の面々も強敵揃い
原作再現度の高さが光る『SAND LAND』
●期待作のラッシュに、落ち着く暇もなかった2月3月
「嬉しい悲鳴なら、むしろめでたい話では?」というご意見もあるかと思います。もちろん、面白そうなゲームが絶え間なく発売され、遊びきれないというのは幸せで贅沢な話でしょう。また、「マイペースで1本ずつ遊べばよいだけでは?」というご指摘も、まったくその通りです。
それを重々承知した上で、それでも「嬉しい悲鳴」を上げ続けてしまうのが現状であり、一部ゲーマーの偽らざる気持ちに他なりません。
ゲームが持つ面白さ自体は不変ですが、旬の時期はゲームにもあり、発売からしばらくの間が最も熱が高まりがちです。友人同士にせよネット上のコミュニティにせよ、盛り上がる時期に話題を交わすのはやはり楽しいもの。また昨今は、思わぬところでネタバレに出会う恐れがあるので、それを回避する意味でクリアしたい場合もあります。
そしてなにより、どのゲームも魅力的で「睡眠時間を削ってでもプレイしたい」、そして「次から次に訪れるゲームをどれもすぐ楽しみたい」という欲求が湧き上がり、目の前のゲームに没頭しながら、次に発売されるゲームも気になるという状態に陥っています。
この現状をもって指摘への返答とするならば、「無理やりハイペースで遊んでいる」のではなく、「マイペースがハイペース状態」と表現するのがより正確なところでしょう。そんな自分の欲求に従った一部のゲーマーは、日々を楽しみながら「嬉しい悲鳴」を上げ続けているのです。
●「嬉しい悲鳴」もいよいよ酸欠状態!? 4月のラッシュで息継ぎも忘れそう
しかも、期待作のラッシュは4月も継続するため、嬉しい悲鳴は今後もまだ途絶える気配が見えません。今月も注目すべきゲームはいくつもありますが、まず4月23日発売の『百英雄伝』は往年のゲームファンならば見逃せない1作です。
PS時代に幕を開けた『幻想水滸伝』シリーズは、108人もの仲間が集い、それぞれが役目を全うして戦いへと挑む戦記系RPG。圧巻の物語はいまも語り継がれるほどですが、この名作を手がけたクリエイター陣が再結集したとなれば、注目せざるを得ません。
また、先日訃報が報じられた鳥山明さんが原作を手がけた『SAND LAND』も、その魅力的なビジュアルを確かな筆致で再現しています。発売に先駆けて配信された体験版をプレイし、期待を膨らませている人も多いことでしょう。
『サガ』シリーズは近年のリマスター版も好評を博しており、ファンの要望に応える実績を着実に積み重ねてきました。その土台が改めて固まったいま、完全新作『サガ エメラルド ビヨンド』が万全の体勢で投じられようとしています。ゲームファンとして、心沸き立つ展開です。
そして、美しいビジュアルとハイスピードアクションを両立するアクションRPG『Stellar Blade』という伏兵も、ゲーマーを待ち構えています。PS5の性能をふんだんに活かしたパワフルなゲーム性は、その真価の一端を体験版で垣間見せ、こちらも好評を博しました。
しかも4月23日の『百英雄伝』を皮切りに、『SAND LAND』と『サガ エメラルド ビヨンド』が同日の4月25日に発売、『Stellar Blade』は翌日の4月26日に発売と、わずか4日間で4本もの注目作が一気に登場します。過密にもほどがあり、「嬉しい悲鳴」すら上げられない酸欠状態に突入しそうな予感すら覚えます。
* * *
3月を過ぎた現時点ですら、都合をつけられるプレイ時間に対して、遊びたいゲームがはるかに上回る状況です。今回上げた全てのゲームどころか1/3程度をプレイするだけでも、予定は過密になり睡眠不足を招くのは必至です。
こうした嬉しい悲鳴を上げながら迎えたこの4月。魅力的な新たな作品の猛攻に、ゲーマーたちはうまく息継ぎができるのか……筆者本人も他人事ではなく、震えながら新作のラッシュを待つばかりです。同じく悲鳴を上げている皆様は、どうか健康だけはお守りください!
(臥待)
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