精神崩壊にメタ発言…衝撃すぎる最終話が語り継がれる昭和/平成のロボットアニメ3選
マグミクス / 2024年4月16日 6時10分
■激闘の末に迎えた「フルボッコ」「精神崩壊」
昭和から令和の現在に至るまでのアニメ作品において、「ロボット」が登場する作品の数は計り知れません。たとえば今も人気シリーズとして続いている1作目の『機動戦士ガンダム』や、悪党を倒す『マジンガーZ』、平成を代表する作品『新世紀エヴァンゲリオン』といった名作を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
そうした数あるロボットアニメのなかには、最終話で衝撃的な展開を迎えて、視聴者に強烈なインパクトを残した作品も存在します。上述した『マジンガーZ』の最終話も良い例でしょう。
1972年から1974年までTV放送されたアニメ『マジンガーZ』は、世界征服を企む科学者の「ドクターヘル」による機械獣軍団の侵攻を阻むため、主人公の「兜甲児」が「マジンガーZ」を駆り戦いを挑む「巨大ロボットアニメ」です。
最終話である第92話「デスマッチ!! 甦れ我等のマジンガーZ」では、ドクターヘルと機械獣を倒したのにもかかわらず、「ミケーネ帝国」の「戦闘獣」という新たな敵が2体、登場します。しかも、これまでの機械獣よりも遥かに強く、マジンガーZは一方的にやられてしまいます。
得意のロケットパンチは壊され、残った腕もビームによって破壊され、さらに胴体に大きな穴を開けられる始末で、いわゆる「フルボッコ状態」になります。これまでの戦果の数々が嘘であるかのようなやられっぷりであり、その様子に多くの子供たちは驚かされたでしょう。
なお結末としては、そうした絶望的な状況に「グレートマジンガー」が颯爽と現れ、戦闘獣をいとも簡単に倒し、そして続編『グレートマジンガー』へ物語は続くというもので、いまなお語り継がれる主人公交代劇が繰り広げられたのでした。
冒頭に触れた『機動戦士ガンダム』の続編として放送された『機動戦士Zガンダム』(1985年-1986年)もまた、視聴者に衝撃を与えた最終話が有名です。
同作は民間人の少年である主人公「カミーユ・ビダン」が「ガンダムMk-II」のパイロットとして戦争に身を投じ、のちに「最強」と称されるニュータイプに覚醒していく様を描いた作品で、最終話の50話「宇宙を駆ける」では宿敵の「シロッコ」との激闘が繰り広げられました。最終的にシロッコが操縦する「ジ・O」を破壊し、カミーユは気を失います。
彼の生存を確認するため、カミーユの幼なじみである「ファ・ユイリィ」が何度も呼びかけると、カミーユは意識を取り戻しましたが、「大きな星がついたりきえたりしている」「大きい! 彗星かな」「暑苦しいなここ……出られないのかな」と、明らかに、これまでのカミーユとは思えないような発言を連発します。その異常さを察して、ファも言葉を失っていました。そして、そのまま『機動戦士Zガンダム』は幕を閉じるのです。
「主人公の精神崩壊」というラストについて、ネット上では「重い話が多めのなかでのカミーユの精神崩壊は、結構ショックを受けたのは覚えてる」「ラストとしてはアリだけど、とにかく後味が悪い」と、放送から約40年が経過したいまなお声が聞かれます。なおご存知の通り、劇場公開された通称『新訳Z』では、この結末は大きく変更されています。
■ラスボスによる驚きのネタばらしで視聴者唖然
『勇者特急マイトガイン』メインビジュアル (C)サンライズ
1993年から1994年まで放送された『勇者特急マイトガイン』もまた、驚きのラストが描かれた作品でした。
同作はロボットアニメ『勇者エクスカイザー』『太陽の勇者ファイバード』といった「勇者」シリーズの4作目で、主人公の「旋風寺舞人(せんぷうじまいと)」をリーダーとする「勇者特急隊」が、正義と平和のために戦う様子が描かれています。
最終話の第47話「嵐を呼ぶ最終回」では、ラスボスである「ブラックノワール」と舞人が対峙し、そこでブラックノワールは「私が次元を超えてやってきた三次元人だ」「我々はお前たち二次元人を使ってゲームをしていたのさ」「旋風寺舞人、お前はヒーローという駒として作られた」と驚きの事実を明かします。
発言を要約すると、『マイトガイン』の世界観や設定は、三次元人のブラックノワールによって創り出されたものという意味になります。しかし、最終的に舞人が勝利し、その後に舞人とヒロインの「吉永サリー」が結婚をしてハッピーエンドを迎えるのでした。
ロボットアニメのラストが「舞台となる世界とキャラは三次元人に創造されたもの」という展開だけでも十分に衝撃的ですが、最終話のエンディングに登場した舞人とサリーの結婚写真にも驚きの仕掛けが施されていました。
アップに映った結婚写真が徐々に引きの映像になると、写真の上部に「マイトガイン」「END」などの文字が書かれており、これの意味するものは「写真はセル画だった」ということです。最後の最後で「全ては作りもの」というメッセージを突きつけるのは、アニメ作品のなかでも異質な演出ではないでしょうか。
同作の監督だった高松信司さんは、のちに「あれは若気の至りだった」「悪趣味でやり過ぎた」と語っていました。
(LUIS FIELD)
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