【漫画】就職先が「柴犬の尻をふく部署」だった！ シュールな世界に「働きたい」の声続出

■柴犬の緻密なイラストと仕事内容がインパクト大

　大学を卒業し、3か月の研修を経た主人公の配属先は、「柴犬の尻を拭く部署」でした。本当は研究職を希望していたのに、柴犬のお尻と向き合う日々。彼の入った会社は「柴犬のお尻をクリーニングする会社」なのです……。

　ネルノダイスキさん（@nerunodaisuki）による創作マンガ『就職したら柴犬の尻を拭く部署だった話』がX（旧：Twitter）で公開されました。驚くほど緻密に描かれた柴犬と、それとは対照的にシンプルな線画の主人公たち、そして衝撃の仕事内容を淡々と説明する展開はシュールな世界観を醸し出しています。

　読者からは「すごい作品に出会った」「面白い」「シュールすぎる」「インパクトにやられた」「不思議なマンガだけどなんかほっこりする」「ここで働きたい！」「柴だけじゃなく、すべての犬のお尻拭かせていただきたい」「応募方法は？」などの声があがり、投稿には3.8万いいねの反響が集まっています。

　作者のネルノダイスキさんに、お話を聞きました。

ーー『就職したら柴犬の尻を拭く部署だった話』のお話はどのように生まれたのでしょうか？

　描いたのがだいぶ昔なので細かいきっかけは忘れたのですが、マンガを描く前から「柴犬の尻を綿棒でススッと拭くのってなんか面白そう」と友人と話したことを覚えていて、実際にマンガにしたらどうかなと思ったのがきっかけでした。

ーー柴犬のイラストの緻密さが印象的でした。ボールペンで描かれているとのことですが、描くうえで工夫なさった点、力を入れた点などを教えて下さい。

　おっしゃっていただいた柴犬のあの独特のギュッとしてるけど柔らかそうな毛の密度を出すのに一番注力しました。

　あとは、ばかばかしいようなアイデアだけど「実際にこんな職場があったらどんなことに力を注いで経営をするのか」とか「どんな道具を開発したりするのか」とかの妄想を広げながらアイデアを出すのは楽しかったです。

ーーたくさんの感想が寄せられています。特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　引用の感想などで結構多かった「この会社に就職したい」というのがとても印象に残りました。マンガを投稿したのが4月の頭で、新社会人の人などは新しい職場に入っていろいろ思うところがある時期だと思いますし、マンガもたまたまですが希望と違う変な部署に配属されてしまった新人の話なので、何か感じてもらえるところなどがあったのかな、と思いました。

短編集『ひょうひょう』が発売中（アタシ社）

ーー今回のマンガも収録された短編集『ひょうひょう』が発売中です。収録内容や見どころなどをご紹介いただけますか？

『ひょうひょう』はコミティアというオリジナル同人誌を頒布するイベントで発表していた作品を収録したものなのですが、どれも昔話のように動物も無生物も等しく意思を持ったり言葉を話したりするような物語が収録されています。

　キャラクターよりも背景や物を描くのがとても好きなので、そういう描き込みや絵柄が好きな方にはおすすめできると思います。おすすめのマンガは、へのへのもへじのカカシが襲ってくる『へのへのもへ』というマンガです。

　余談になりますが、コミティアというイベントは今どきの絵柄のマンガからこういうテイストのマンガまで発表されている、描き手の層も読者の層も非常に幅の広いイベントなので、興味のある方はぜひぜひ行ってみてほしいです。

ーーネルノダイスキさんがマンガやイラストを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　イラストレーションは、美大で専攻して勉強していたので「絵を描く仕事を何かしたいけどイラストレーターになれたらいいな」くらいの感じで始めたものでした。

　マンガを描き始めたのは、制作会社で一緒に働いていた友人が「イラストレーターとか絵を描く人を何人か集めて同人雑誌作らない？」と声をかけてくれたのがきっかけで、そこで初めて描きました。マンガを描くのはその前から興味があったのですが、なかなか腰が重くて描いてなかったので。

ーー今後の創作活動のご予定について教えて下さい。

　今、新しい本を制作中で、2024年中には出す予定ですので、楽しみにお待ちいただけたらと思います。それと新作のマンガなども準備中です。そちらもまた今までと少し違うテイストのマンガになりそうですが楽しいものになると思いますので、楽しみにしていてくれたらと思います。

（マグミクス編集部）