『ボーボボ』の作者は今? 平成の「ジャンプ」作家たちが歩む、意外なまんが道
マグミクス / 2021年3月28日 11時50分
■自分が追ってないだけ? あのレジェンド漫画家たちは今も新作を発表中
「少年ジャンプ+」で2021年2月16日に公開された読み切り作品『フロントライン・スピリッツ』が話題を集めています。こちらを手がけたのは澤井啓夫先生。伝説の脳内シャッフルギャグマンガ『ボボボーボ・ボーボボ』の作者です。『チャゲチャ』以降の作品(『ふわり!どんぱっち』など)を知らなかった読者も多かったようで「画風の変化に驚いた」といった声も多くあがっていましたが、何よりも「久しぶりに澤井先生の作品を読めてよかった」という喜びの声にあふれています。
漫画家は永遠に漫画家です。自分の目に見える範囲での活躍が減った=いなくなってしまったと結論づけるのはあまりにも短絡的で、もったいない話ではないでしょうか。そこで本稿では「週刊少年ジャンプ」本誌では近年なかなか作品を拝読する機会のない、平成のレジェンド作家陣の近況を駆け足ながら紹介します。
●レジェンドたちの近作が読みたければ…まず「少年ジャンプ+」「最強ジャンプ」
「そういえばあの先生、今何しているのだろう」そんな時はまず「少年ジャンプ+」、そして隔月刊行「最強ジャンプ」をオススメします。「最強ジャンプ」でいえば現在も『花さか天使テンテンくん』の小栗かずまた先生や『地獄先生地獄先生ぬ~べ~』の真倉翔先生、岡野剛先生コンビをはじめとしたレジェンドたちが連載しています。
●SNSで近況を発信してくれるレジェンドたちも!
SNS社会においてこうしたレジェンドたちが自ら近況を報告してくれることはありがたい限りです。たとえば『みどりのマキバオー』などの作品で知られるつの丸先生は「少年ジャンプ+」の健康診断企画で余命10年と宣告されてしまい「つの丸 10年後に死ぬ漫画家(3年目)」というメメント・モリなアカウント名で近況を投稿していらっしゃいます。また前述の小栗かずまた先生、『Mr.FULLSWING』『バリハケン』の鈴木信也先生もご自身のTwitterアカウントで新作の短編マンガを折に触れてアップしてくださっています。
他にも『D.Gray-man』の作者・星野桂先生は現在も「ジャンプSQ.RISE」にて同作を連載中ですが、文具専門誌「趣味の文具箱」ではコラム「ホシノカツラの文具LIFE」を連載。さらにInstagramではあふれんばかりの文具愛を発信し続けています。
●マンガ以外の場にも活躍の場を広げるレジェンドたちも
ギャグマンガ界の“生ける伝説”こと漫☆画太郎先生もここ数年は「少年ジャンプ+」などでコンスタントに新作を発表していますが2020年には「ガタロー☆マン」という名義で絵本作家デビューを果たしました。
“知る人ぞ知る平成のジャンプ作品”の作者に目を移しましょう。例えば2004年に連載された『地上最速青春卓球少年ぷーやん』の作者・霧木凡ケン先生は現在、名義を桐木憲一に変更。実写映画化もされた『東京シャッターガール』などヒット作を発表しています。(プライベートでは手塚治虫の長女・手塚るみ子さんとご結婚されました)。同時期の2003年に連載された『☆SANTA!☆』の作者・蔵人健吾先生も、現在は蔵人幸明という名義でマンガ原作者として数多くの作品を手がけています。
* * *
……と、ここまでご紹介できたのはあくまでも近況が確認できた方々のみ。実のところ最近の活動を辿れないレジェンドが多いのもまた事実。毎週、「週刊少年ジャンプ」をむさぼるように読んでいた少年少女からすればたとえ短期連載となってしまったマンガであっても、ひとつとして覚えていない作品などありません。感謝の意を表するとともに、お元気でいらっしゃることを祈るばかりです。
なお蛇足ながら筆者としては主人公がくらげと人間のハーフであるギャグマンガ『くらげ中二』の作者・高田雅利先生の近況が猛烈に気になっております。
(片野)
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