トリモチまみれの子猫「虐待かも」生後1カ月、懸命に取り除き、人肌のミルクをゴクゴク
まいどなニュース / 2024年5月10日 14時20分
小鉄くん(9歳・オス)は、2015年8月、トリモチにまみれて農道の端にうずくまっていた。千葉県県在住のNOKIさんはたまたま近くを通りかかった時に発見したという。
「わずかに動くものが見えて、ネズミ!?と思いました。でも、小さなニャーという鳴いたので子猫だと分かりました。まだ片掌に乗るような大きさでした。」
全身トリモチまみれでベタベタに汚れて衰弱した状態だった小鉄くん。赤ちゃん猫や子猫は低体温症で命を落とすことがあるので、NOKIさんは近くにあったコンビニでホットのペットボトル飲料を買ってハンカチで包んで温めながら病院へ駆け込んだ。
「生後1ヶ月程度だと分かりました。獣医さんは、『あのトリモチはイタズラか虐待の可能性があり
ます。ネズミ獲りの罠にかかってしまった可能性もありますが、ここまで全身にびっしりついているとなると虐待を疑います。』と言いました。」
とにかく、まずは全身に付いたトリモチをなんとかしなければならなかった。看護師が「小麦粉をまぶして少しずつ取り除いていくしかないんです』と教えてくれた。
「まず口を塞いでいるトリモチに小麦粉をまぶして取り除き、急いで人肌に暖めたミルクを指に付けて飲ませました。元気にゴクゴク飲んでくれてホッとしました。」
糖尿病に倒れる
トリモチが完全に取れて衰弱からも脱しないとお風呂には入れられなかった。感染症の検査の結果もまだ出ていなかったので、先住猫とは隔離し、息子さんの部屋に入れたという。
「3ヶ月ほどすると完璧にきれいになって可愛い顔が現れました。コロンとした可愛い子猫でした。できるだけのことをしたい!という息子と小鉄の生命力と運の強さで乗り越えました。」
9年後、小鉄くんは突然ダルそうに寝転んだままなかなか起き上がれずにいた。嘔吐してグッタリしてしまい、隣の市の大きな病院へ救急で連れて行くと重度の糖尿病にかかっていた。
「これからずっと注射を続けていくことになるそうです。悪戦苦闘しましたが、だんだんお互いに慣れてきたようにも思います。まだ9歳なのでできることは全部してあげたいのですが、人間のエゴかもしれないと思うこともあります。」
やるせない思いを抱きながら、NOKIさんは小鉄くんの看病に全力で取り組んでいる。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)
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