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<無駄に炎上する人たち>キーワードだけに反応して炎上する「単語脳」

メディアゴン / 2016年2月25日 7時40分

西野亮廣[芸人(キングコング)]

* * *

今、自分が運営している会員制のオンラインサロン内が「炎上」している。

もっとも、「炎上=悪いこと」としてしまうような男ではございませんので、「あー、面倒くせーなー」と思いながらも、「なるほど、そういうところに『怒りセンサー』が反応する人もいるのね」という勉強になる。

特に今回の一件は、私的なオンラインサロンで「炎上」するほどだから、あれを表で言っていたら、山火事レベルだっただろう。だからオンラインサロンで言った。オンラインサロンでの炎上の鎮火は簡単で、僕が話題を変えればいいだけなので。

今回の一件で疑問を持ったのが「なんで、そんなことに声を荒げて怒れるのだろう?」ということ。

たとえば『不倫』。

 「旦那が不倫していたから、怒る」

これは分かる。直接、裏切られたわけだから、そりゃ怒るよね。

 「友人夫婦の片割れが不倫していたから、怒る」

僕は怒らないけれど、怒る人の気持ちは分かる。不倫された方とも交流があった場合、不倫した方に「あの子の気持ちも考えてあげなさいよ!」と詰め寄るのだろう。まだ、分かる。

 「育児休暇をとっていた政治家が不倫したから、怒る」

僕は政治家のプライベートなんて知ったこっちゃないし、政治家は政治で結果を出してくれたらイイ! と思ってしまうので怒らないけど、怒る人の気持ちも分かる。「俺たちの税金で生きているクセに、何やってんだ!」という感じだろう。

そして、

 「べつに追いかけていたわけでも何でもないタレントが不倫していた。許せない!」

・・・これが1ミリも理解できないんだよね。前々から追いかけていたわけでもないタレントが不倫したことに、何故『怒りセンサー』が反応するのだろう?

直接、自分に被害が及ぶわけでも何でもないのに、一体何に腹を立てているんだろう? 言っちゃえば、「全然関係ねーじゃん」なんだけど、言ったところで時すでに遅し。「不倫した!」「サイテー!」「絶体に許せない!」と、もう止まらない。

で、「前々から追いかけていたわけでもないタレントの不倫に怒れる理由」を考えるのが、すごく面白くて、実は先日のオンラインサロンの炎上同様、こういう人達は文脈なんて全然関係なくて、「不倫」という単語だけに反応してしまってるんだよね。

「不倫=裏切り行為」だから、徹底的に糾弾する。その時、「そもそも自分が糾弾すべき案件なのか?」という審査はスッポリと抜け落ちて、とにもかくにも「不倫をしたから許せない!」となる。

いわゆる「単語脳」だよね。

で、やっかいなのが、こういう人達に「いや、アンタと関係なくね?」と言おうもんなら、「なんだオマエは! 不倫を肯定するのか!? サイテー! 許せない!」と、ここでも単語脳を炸裂させてくる。

会話できる状態にないわけだ。

以前から僕は、自分の言葉がニュースになるときに、悪意ある編集(切り取りハラスメント)に遭っているから「炎上」するのだと思っていたけれど、単語脳の人が一定数存在する限り、その言葉に「人殺し」「覚醒剤」「不倫」という単語が入っていれば、原文のままでも「炎上」していたのかもしれない。

たとえば「ボランティアをする奴はバカだ。というのも…」という一文からスタートして、その「というのも…」の続きが膝を打つ内容で「なるほど、そういう意味で「バカ」と表現したのね」となったとする。

しかし、単語脳の人は「ボランティアをする奴はバカとは何だ!! 人の為に汗を流してるんだぞ!! お前はボランティアをしたことがあるのか!! 許せない!!」とギャースカ。

ニュースに切り取りハラスメントに逢う前に、単語脳の人が単語を切り取っちゃうんだよね。面倒くせーなー。まぁ、だからと言って、そいつらに合わせて言葉を選んだりしないけどね、僕は。



(キンコン西野)

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