トヨタ・ヤリスクロスのラゲッジルームは「ファスト・アクセス」をコンセプトにして開発
MotorFan / 2021年3月8日 8時0分
見た目だけでなく、実用性も求められるSUV。特にレジャーシーンでは、荷室の広さと使い勝手の良さは気になるポイントだ。開発スタッフによると「ヤリスクロス」は、まずは荷室から設計し、その後インテリア全体をデザインしていったという。
「ヤリスクロス」は「ヤリス」をベースとしたコンパクトSUVのため、インパネなどは共有することが決まっており、手を加える部分が限られていた。そういった制約がある中で、使い心地の良いインテリアを設計する必要があったと開発スタッフは語った。企画当初は天井にネット式の収納を検討したというが、頭上の安全性が満足いくレベルに達しなかったため、最終的には諦めたという。
ただ、そういったことがあったからこそ、荷室にフォーカスして進めることになった。390Lという荷室容量は競合車(キックス:423L、ヴェゼル:404L)と比べると、わずかに少ないものの、ヤリスクロスはサイドトリムを深く抉ることで後席を格納することなく9.5インチのゴルフバッグを横向きに置ける。
そのほかにも後席の4対2対4で分割も「ヤリスクロス」の特徴として挙げられる(競合車は6対4)。中央を倒せば大人4人が座れるスペースを確保しつつ、スキー板のような長尺物を積める。もちろん、荷物を積まなくても、後席用のアームレストとして活用できるため快適性も高い。
また、荷室フロアには6対4で分割できるデッキボードを設定。上下二段階の調整が可能で、下段にすれば荷室高を約120mm稼げる。開発時には、このデッキボードを一枚物にするか、分割を前後にするか左右にするかが検討された。
そのほかにも、ハンガーとして使えるテールゲートのグリップや、走行中に中身が転がり出ないように若干高い位置に配置したコンビニフック、荷物を固定するためのフレックスベルト、DC12Vアクセサリーソケット(ハイブリッド車はAC100V)、テールゲートの電動開閉機構など、単純な広さだけを追求するのではなく、アクティブな生活を送るユーザーが手早く簡単に使えることにこだわってデザインが進められた。
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