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大河原克行のNewsInsight 第281回 HPのもうひとつの柱「プリンティング」、デジタル化と3Dにチャンスあり - 日本HP 岡戸社長に訊く(後編)

マイナビニュース / 2024年4月24日 17時19分

画像提供:マイナビニュース

(前編から続く)

日本HPは、PCを中心としたパーソナルシステムズ事業とともに、もうひとつの事業の柱として、プリンタなどを主軸にしたプリンティング事業を展開している。産業印刷分野におけるデジタル化を推進する一方、個人向けには大容量インクタンクモデルを国内市場に投入。さらには、3Dプリンタでは、商品そのものの造形に活用するケースが日本でも増えており、2024年は、最終製品の製造を支援するソリューション提供に注力する考えを示す。そして、社長就任以来、2年半の変化については、「多様性が進展したことが最大の成果」だと明言する。後編では、プリンティング事業への取り組みとともに、日本HPが取り組む日本の社会への貢献活動、サステナビリティへの取り組み、社内変革などにフォーカスした。

―― 産業プリンティング分野では、日本HPが、日本の印刷業界におけるデジタル化の推進役を担っています。その手応えはどうですか。

岡戸:産業プリンティング市場の需要は、コロナ禍で一度落ち込みましたが、昨今の外向け需要の増加により、回復しつつあります。屋外広告が増加したり、チラシやのぼりを印刷したりといったニーズが拡大しています。世の中の変化が激しくなり、環境意識も高まるなかで、大量印刷をして、それを在庫し、余ったものは廃棄するという方法は、いまの時代にはあいません。必要なものを、必要な量で、必要なタイミングで印刷できるデジタル印刷の強みが評価されるだけでなく、環境への貢献という点でも注目が集まっています。多品種少量印刷やオンデマンド印刷などを特徴とするデジタル印刷によって実現する適量、適時、適地での印刷ニーズは、これからますます需要が増加すると考えています。

―― 2024年5月には、4年に一度開催される世界最大の印刷メディア分野の総合展示会「drupa」が開催されますね。ドイツ・デュッセルドルフで、8年ぶりのリアル開催となり、世界中から注目を集めています。HPはどんな製品を発表することになりますか。

岡戸:drupa2024のHPブースでは、これから先20年間の印刷業界を定義する発表を行います。なかでも、AIとロボティクスを活用し、受注から出荷までの生産現場の自動化や、効率化のソリューションをお見せすることになります。独自の湿式電子写真(LEP)技術をさらに進化させて、印刷品質を向上するとともに、汎用性や生産性、持続可能性、経済性のすべての面で進化したデジタル印刷機を発表する予定です。また、40年に渡って業界をリードしてきたインクジェット技術への投資も継続していくことになります。drupa2024のHPブースにおいては、日本のお客様をはじめ、世界中の人たちに、最新イノベーションを搭載した様々な自動生産ラインを、実際に見ていただきたいと思っています。

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