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大阪公大、腋臭症(わきが)の原因菌を解析し菌を退治する手法も開発

マイナビニュース / 2024年4月25日 21時50分

画像提供:マイナビニュース

大阪公立大学(大阪公大)は4月23日、健康な成人男性20名の腋窩(えきか)から抽出された体液のサンプルを収集して代謝物の分析を実施し、腋臭症(わきが)に分類されるカレースパイス臭様の強い臭いがする群において、その臭いのもととなる代謝物の前駆物質が増加していることを確認し、その原因となる皮膚常在菌を減らす手法も同時に開発したことを発表した。

同成果は、大阪公大大学院 医学研究科 ゲノム免疫学の植松智教授(東大 医科学研究所(医学研) ヒトゲノム解析センター メタゲノム医学分野 特任教授兼任)、同・藤本康介准教授(医学研 ヒトゲノム解析センター メタゲノム医学分野 特任准教授兼任)、同・植松未帆助教、同・渡邊美樹医師(研究当時・大阪市立大学大学院 医学研究科 大学院生)、医科研 ヒトゲノム解析センター 健康医療インテリジェンス分野の井元清哉教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、皮膚生物学と皮膚疾患に関する全般を扱う学術誌「Journal of Investigative Dermatology」に掲載された。

腋臭症とは腋窩より特異な悪臭を放つ状態であり、日本人の約10%に及ぶとされる。日本人男性の腋臭はその臭いの特徴から、化粧品メーカーのマンダムの研究に寄れば、臭気判定士により、ミルク(M型)、酸(A型)、カレースパイス(C型)、カビ(K型)、蒸し肉(E型)、生乾き(W型)、鉄(F型)の7種類と、その他に分類されるという(厳密には、そのうちの複数が混ざっている場合が多い)。割合としては、M型、A型、C型の順に多く、この3種類だけで9割を占めるとし、その中ではC型が最も臭いが強く、M型は最も弱いベース臭である。

ヒトの汗腺には、ほぼ全身にあって体温制御や精神的緊張で発汗する「エクリン腺」と、腋窩や外陰部に分布していて思春期になると性ホルモンの影響で分泌が多くなる「アポクリン腺」がある。後者からの分泌物が悪臭の原因とされ、臭いが強い人は同腺が大きくてその数も多く、分泌量が多い傾向にあるという。

アポクリン腺の分泌物は分泌直後は無臭だが、それらを前駆体として、皮膚の常在菌が代謝することで、悪臭を伴う揮発性脂肪酸やチオアルコールなどが産生される。主に報告されている前駆体(左)と代謝物(右)は以下の通りだ。

・3-メチル-2-ヘキセン酸(3M2H)-グルタミン→3M2H(揮発性脂肪酸)

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