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経験で覆すのがベンチャーの強み - Synspective小畑氏が目指す小型衛星の将来

マイナビニュース / 2024年5月9日 7時3分

画像提供:マイナビニュース

●衛星開発とデータ解析をつなぐ小畑氏 その源泉は幼少期に
1957年に、人類初の人工衛星「スプートニク1号」をソビエト連邦が打ち上げてからおよそ70年。現在の宇宙空間では数多く人工衛星が運用されており、2022年だけでも2368機もの打ち上げが行われている。

過去10年間で約11倍にも増加している人工衛星の打ち上げ機数だが、増加の中心を占めるのは商業衛星であり、中でもSpaceXが運用する衛星コンステレーション「Starlink」は4年間で3564機が打ち上げられた。この数は、人類がこれまでに打ち上げた衛星機数の2割強にあたるという。

SpaceXに限らず、数十機から数百機規模のコンステレーション構築に向け、複数の欧米企業や中国政府・企業による競争が活発化する中、日本の宇宙スタートアップ「Synspective」も小型SAR衛星の開発・運用を手掛けており、これまでに計4機の衛星を打ち上げ、現在はそのうち3機の運用を行っている。

そこで今回は、Synspectiveの取締役 兼 技術戦略室 室長を務める小畑俊裕氏に、人工衛星開発・運用の現状について話を伺った。

○Synspectiveの事業概要

2018年2月に創業したSynspectiveは、SAR画像データ販売、小型SAR衛星の開発・運用、そして衛星から得られたデータを利用したソリューションサービスを手掛けるスタートアップ企業。同社自らSAR衛星コンステレーションを持っているのが特徴で、各国政府や解析事業者、インフラ・メンテナンス業界、防災・損害保険業界、資源・エネルギー業界など、SARデータや解析ソリューションの活用が期待できる幅広い顧客を抱えているという。

SAR衛星の“SAR”は“Synthetic Aperture Rader”の略で、日本語では「合成開口レーダー」と呼ばれ、マイクロ波を使って地表面を観測する方式を意味する。SARの技術自体は以前から活用されていたが、これまでは大型の衛星が主流だった。しかしSynspectiveが開発・運用する衛星は、軌道投入前は約0.8m×1.0m×0.8m、軌道投入後は約5.0m×1.0m×0.8mという非常に小さなもの。従来の大型衛星が1t級であったのに対し、100kg級という革新的なサイズ感で、開発から打ち上げまでのコストを1/10~1/20程度に抑えられるほか、小型化によって複数機の打ち上げが可能となり、コンステレーションを構築することでより多くのデータを提供することができる。

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