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カレー沢薫の時流漂流 第299回 AIで変わるかもしれない人間社会、死者より怖い生者のAI

マイナビニュース / 2024年5月13日 17時12分

画像提供:マイナビニュース

ここ数年AI関連のニュースが非常に増えた。

画像生成AIが登場してから、我々画業にとってもAIは大きな関心事であり、業界内でも賛否が割れている。

私自身は「今触れるのは危険なのでクリアになるまで使用も言及も控えよう」という、いつも通りの牙を抜かれた総入れ歯狼の姿勢だが、AI全般に関しては「それを使うことにより我々の生活が便利になり豊かになれるならどんどん使っていくべきだろう」と思っている派だ。

つまり、労働や家事など、人間がやりたくないことをAIが担い、それにより発生した利益は人間が享受するという形が好ましい。

しかし現在のところ、AIが労働することによりヒトカスは職を失い餓死するという論調が多いし、確定申告や洗濯物を入れたり出したりするなど、我々が心から代わりにやってほしいと思う仕事はまだAIにやってもらえず、何故か絵や歌など、どちらかというと楽しみな部分からAIに奪われているという状態だ。

だが、人間とていきなり経費計算から覚えるわけではない。まずは「お歌」や「お絵描き」などお遊戯から学び、最終的に損益計算書などを作る奴と、永遠にお遊戯をやっている奴に成長するのである。

おそらくAIもまだ「いろいろやらせて可能性を探る段階」だろう。人間の場合いろいろやらせて「可能性がない」という結論に達することもあるが、AIには大きな可能性がある。

その可能性の一つとして注目されているのが「死者復活」である。
○ザオリクを覚えたりゾンビパウダーを生成したりするAIではなく

一見AI技術とは真逆の黒魔術的発想だが、故人の生前の写真や音声データから画面内に故人のAIを生成する技術のことである。

まるで本人がしゃべっているかのような動画ができ、学習することで本人そっくりの口調で会話をすることもできるらしい。

すでに中国ではビジネス化されているらしく、最近もニュースになっていた。それによれば、約8万円で故人のAIを作成してもらえるそうだ。

会話できる遺影として、遺族の慰めになっているようでそれは結構だが、一方で「死者への冒涜である」という批判もある。

何せ本人は没しているので、その心の内は知りようがなく「死者への冒涜だ」という意見も、生者が勝手に死者の気持ちを代弁しているブーメランではあるのだが、死者が嫌がっていないとも言い切れない。

それに現生者もいつか必ず死者になる。自分が死者になった時、AI化され、思ってもないことを自分が言ったかのようにされるのは嫌だと思っている人もいるだろう。

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