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ウーバーはどのように人工知能テクノロジーを活用しているのか

ニューズウィーク日本版 / 2016年9月27日 11時45分



ウーバープールに必要な経路検索と所要時間予測

 それでは、ウーバープールは、どのようなテクノロジーに支えられているのでしょうか。ウーバープールは、通常の(相乗りでない)ウーバーと比べると、はるかに複雑です。 どのユーザーとどのユーザーを相乗りさせるかを、瞬時に算出する必要があります。このために必要なのが、高速で最適な経路を算出し、かつ正確に到着時間の予測を行うことです。都市部での自動車の移動時間は、距離以上に、混雑状況に左右させる場合が多く、混雑状況はリアルタイムに変化していきます。もし最適な経路算出と正確な時間予測が高速で実現できないならば、ウーバープールには以下のような問題が起こります。

・運転手とのマッチングに時間がかかる。
・前の車が遅れて、いつまで経ってもウーバーがこないことが頻繁に起こる
・通常のウーバーよりも所要時間が長くなる

 しかし、サンフランシスコのような密集した都市であっても、ウーバープールは現在地と目的地を入力してから10秒程度で運転手とマッチングし、最初に表示された到着予定時間とほぼ同じ時刻に到着します。呼び出してから自分の場所に到着するまでの時間が少し長いことと、途中で別の乗客を乗り降りさせる分時間がかかる以外は、トラブルやストレスを感じる機会は多くありません。このような優れたユーザー体験は、ウーバーが自ら開発した経路検索と、所要時間予測技術が生み出しています。

独自エンジン Gurafu

 ウーバーは以前は、OSRM(Open Source Routing Machine)を含むいくつかの経路検索エンジンを用いて経路と到着予想時間を算出していました。ウーバープールなどの新規サービスを提供するにつれて、より高速で、より正確な、ウーバーの性質や利用状況に特化したエンジンが必要となりました。そこで開発されたのがGurafuです。 ウーバーは技術ブログの中で、Gurafuによってこれまでよりも高い経路予測が可能になったとし、従来の方法との比較図を掲載しています。

新(紫)と、旧(緑)の経路検索エンジンの比較。Uber Engineering Blogより

 リアルタイムの交通状況を加味した最適な経路検索と、到着予測時間の算出は、高度なアルゴリズムとデータ分析が必要になります。より優れた顧客体験、快適な移動を実現するために、Gurafuはウーバーのサービスを支えているのです。

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