大坂なおみが語る「だから私は心の問題を訴えた」
ニューズウィーク日本版 / 2024年2月7日 15時54分
そしてメールの最後にはこうあった。
「今はテニスに集中します」
前日のSNSでの宣言に比べればはるかに穏やかなトーンだったが、状況はさらに悪化した。
なおみが「妥協」を望むのは「この大会が終わってから」。つまり大会期間中は姿勢を変える気はないということだ。
さらにお偉方はまだ知らなかったが、より深刻なのは「今はテニスに集中する」という宣言の意味だった。
その後の数日間、さまざまな関係者がコンタクトを取ろうとしたが、ことごとく失敗した。3日間にわたって、彼女は接触を拒否し続けた。
やがて記者会見でもヘッドホンを外さない場面が目立つように(21年) JIMMIE48
なおみの態度はメディアへの全面攻撃と受け止められた。
数カ月後、または数年後、彼女はこの瞬間についてニュアンスをかなり変えて話すようになった。
あのときは不安感が高まっていて、記者会見は自分の判断次第で軽減できるストレス要因と考えていた、と。
記者会見が自分にとって問題になったのは、新型コロナのパンデミック中に起きた変化の影響が大きいと、彼女は後に語った。
リモートで仕事をしていた無数の人々と同じように、なおみはモニターの向こう側にいる人々とのつながりをなかなか感じられなかった。
かつて自分と同じ部屋に座っていた記者たちとの関係とは違っていた。彼女はバーチャル記者会見について、「人間的な交流がなくなってしまった」と語っている。
記者会見をZoomに切り替えたことで、参加人数も大幅に増えた。
世界中から誰でもバーチャルで参加できるようになったため、以前はテニストーナメントの取材旅費を出さなかったメディアも、数回のクリックで記者をなおみの前に立たせることが可能になり、彼女の言葉を自社のウェブメディアに載せて閲覧回数を稼ごうとするようになった。
この変化は9カ月前、ウィスコンシン州ケノーシャで29歳の黒人男性ジェイコブ・ブレイクが警察に銃撃され、下半身麻痺になった事件を受けて、なおみがニューヨークで開催される全米オープンの前哨戦を棄権すると表明した頃から始まっていた。
「記者会見に私の知らない新しい記者たちが加わるようになった。私の成長を見守ってくれた人たちとは違う記者が」と、彼女は言った。
精神的に疲れ切っていた
「それでエネルギーが落ち始めた。もっと自分を守らないといけないと思うようになった。知り合いの記者を攻撃するつもりはなかった。日本のメディアや何人かのテニス専門記者の人たちとは、とても強い絆を感じている。だから、もし彼らを傷つけてしまったのなら申し訳ないと思う。そんなつもりは全然なかった」
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