柿澤勇人がハムレット役「過酷な役、濃密な稽古…」蜷川幸雄さんの“千本ノック”同様、高熱出た
日刊スポーツ / 2024年5月7日 5時0分
「彩の国シェイクスピア・シリーズ」2nd Vol.1「ハムレット」が7日、さいたま市内の彩の国さいたま芸術劇場で開幕する。
前日6日に同所でゲネプロが行われ、ハムレット役で主演の柿澤勇人(36)は、初代芸術監督の蜷川幸雄さんから厳しい演出“千本ノック”を受けた時同様、吉田鋼太郎(65)が芸術監督を継いだ今回も、稽古中に高熱が出たと吐露。「こんなに過酷な役、濃密で深い稽古は、役者人生で本当に初めて。最高の時間に塗り替えたい」と語った。
「彩の国シェイクスピア・シリーズ」は、蜷川さんがシェークスピア戯曲全37作品の上演を目指し、98年に「ロミオとジュリエット」でスタート。16年に亡くなった後は、吉田が芸術監督を引き継いで残り5作を担当し、23年2月24日に埼玉会館で大千穐楽を迎えた「ジョン王」で、25年のシリーズを完結させた。ファン、関係者から再演、新シリーズを求める声が相次ぎ、2ndが始動。吉田は演出・上演台本に加え、ハムレットの叔父クローディアス役も演じる。
柿澤は、12年5月に上演の舞台「海辺のカフカ」のカラス役で同劇場の舞台に初めて立ち、蜷川さんの演出を受けた。「24、25歳だったのかな。いわゆる、有名な“千本ノック”を受けまして、嫌な思い出しかない」と苦笑した。吉田から「嫌な思い出しかない、はダメだろ。良い思いでもあったろう」と突っ込まれると「すごい大変だった。稽古中に、何やってもダメ出し。『ヘタクソ』『帰れ』『やめちまえ』『才能なし』みたいな罵詈(ばり)雑言を受けて、40度の熱が出まして」と明かした。
その上で「今回も、ものすごく大事な役で、稽古も、ものすごく過酷でしたし、同じように高熱が出た」と「ハムレット」の稽古も同様に過酷だったと振り返った。ただ「体も痛いし心も壊れているし、ボロボロ。自分で言うのも変なんですけど満身創痍(そうい)。それくらい、追い込まないと…自然に追い込まれたんですけど、元気いっぱいで、ひょうひょうとやる役ではないんだなと改めて思いましたし」と、作品と役どころが厳しいと説明。「鋼太郎さんが新しく『ハムレット』に命を吹き込んでくれたので、クリアして『カフカ』とは違う、良い思い出でやり切って、最高の時間に塗り替えたいと思っております」と意気込んだ。
推しのポイントについて聞かれると、まず「どこだろう? 最後の言葉…小田島雄志さんの翻訳にもありますけど『あとは、沈黙』と言って、天に召されるんですけど、早くそれを言いたいなと」と口にした。さらに「上演時間3時間半のうち、3時間、ずっとしゃべっているんですね。しゃべりすぎだろうというくらい、ハムレット君はしゃべる。本当に、途中で心が折れそうになるくらい、しゃべり続ける」とハムレットのせりふの多さを指摘。「やっと沈黙で終わるんで早く、その時が来ないかなと、ずっと思っています」と続けた。
その上で「演出家の要望で『沈黙』と言う前に見せる表情」と、具体的な推しのポイントを挙げた。「その日の3時間半の旅で起きたこと、個人的に思うこと…日々、変わると思うけれど、良い表情。単純にニコッとするとか、そういう簡単なことじゃなく、深いところで本心で思った表情で、その言葉を言えたら、きれいに終わるんじゃないかと思っています」と語った。その言葉通り、質疑応答後のゲネプロでは、吉田とはもちろん、オフィーリア役の北香那(26)レアティーズ役の渡部豪太(38)ホレーシオ役の白洲迅(31)らと、時に激しくぶつかり合い、抱き合うなど熱のこもった芝居を披露。最後は悲しみとも、苦しみとも、安らかとも取れない、喜怒哀楽が入り交じったような、筆舌に尽くしがたい表情を浮かべて、ステージの中央に横たわった。
柿澤は、演じるハムレットについて「何なのか、世界中、日本中の名優と言われる先輩がやってきた、これをやりたいんだと言う思いでいるのが、なぜなのか。正直、僕はまだ稽古の中では、見つかっていません」と率直に語った。その上で「経験したことを、総動員してもかなわないところ…課題も、いっぱいありますし。千秋楽までにいろいろな発見があると思うし、少しでも成長して…本番をやって見つかるかも知れないし、分からないままかも知れないし、どういう景色が見えるのかも、全く未知。それくらい大変な役であり作品」と訴えた。
そして、最後に「芝居バカが集まって日々、稽古してきた。皆で手をつないで一緒に、最後まで1人も欠けることなくいきたい」と誓った。【村上幸将】
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