「必ず100万円以上、年収が増えます」に要注意…絶対に話を聞いてはいけない"極悪ヘッドハンター"の見分け方
プレジデントオンライン / 2023年2月1日 15時15分
■「国が認めたヘッドハンター」の見つけ方
年も改まり早1カ月、今年こそは転職をしてキャリアアップを目指す方も少なくないのではないでしょうか。その際にあなたの転職をサポートしてくれるのは、「ヘッドハンター」の存在です。そこで本稿では、25年以上ヘッドハンターとして活動してきた著者による、良いヘッドハンターとそうでない人の違いについて解説していきます。
ヘッドハンターを選ぶ際、まず初めにチェックしてほしいことがあります。それはヘッドハンターが勤務する会社が、厚生労働省からの人材紹介に関する許認可を得ているかどうかの確認です。
厚生労働省から正式に許認可を得ているならば、必ず許認可番号がそのヘッドハンターが所属している人材紹介会社のホームページに記載されているはずです。
ちなみに、弊社「佐藤人材・サーチ」の場合はホームページに許認可番号の「13-ユ-307056」が明記されています。この許認可番号の記載があれば、国が認めたヘッドハンターとして信頼できるとみなして良いでしょう。
さらに、人材紹介会社の団体にあたる「一般社団法人日本人材紹介事業協会」(人材協)に所属しているとさらに望ましいと言えます。
■人材紹介会社サイトのどこを確認するか
続いては、ヘッドハンターが所属している人材紹介会社が、人材紹介業務に今まで何年携わってきたかを確認しましょう。設立から10年以上の歴史がある人材紹介会社であれば、まずは安心して良いと思います。
そして最後に、ホームページを確認して人材紹介会社としての基本的な経営理念を確認しておくようにしましょう。例えば弊社の経営理念は、「一期一会を大切に人材紹介を通じて社会に貢献する」としています。
1人のヘッドハンターとして、人材紹介に対するスタンスは経営理念の言葉1つに反映されます。経営理念があるかどうかだけでなく、内容を確認しておくことでヘッドハンターが所属する人材紹介会社の仕事に対する姿勢を垣間見ることができます。
■ヘッドハンターを見極める7つのポイント
①ヘッドンターの人間性
自分に対して誠実かつ親身な対応をしてくれそうか、あるいは上から目線でなく対等な対応をしてくれるかどうかなど、最初のコミュニケーションを通してヘッドハンターとしての基本的な対応や姿勢、マナーを確認しましょう。
気をつけるべきヘッドハンターの口癖・態度
最初から転職ありきで、自己紹介もなく、冒頭から紹介案件の説明のみに固執するヘッドハンターには注意が必要です。
また話し方が上から目線で、横柄な態度のヘッドハンターならすぐに敬遠しましょう。他にも「必ず100万円以上は年収が増えます」といった具合に、最初から年収アップを前面に押し出すようなヘッドヘンターは、都合の悪い条件を隠す可能性があるので気をつけてください。
■転職経験と3年以上のキャリアがあると安心
②ヘッドハンターになる前の実務経験と、人材紹介業務経験
ヘッドハンターになる前にどういった実務経験を積んできたのか、はじめの自己紹介を通じて把握しておきましょう。
どんな業種で、どんな職種を経験したのかを事前に把握すれば、自分が希望する業界や職種に詳しいかどうかの確認にもなります。
さらに、ヘッドハンター自身にも転職経験があるほうが、転職経験がない人よりも転職そのものを体験している観点から、より信頼感が持てると言えましょう。さらにヘッドハンターとしては、経験年数に裏打ちされた紹介実績があるかどうかも非常に大切です。
理想は転職経験があり、ヘッドハンターとしてのキャリアが1年以上、できれば3年以上のキャリアがあることです。そうすれば、安心してご自身の次のキャリア相談ができると判断して良いでしょう。
■「すぐ転職しましょう」の一点張りは要注意
③人材紹介に対する価値観
あなたの今後のキャリアアップを真剣に考えてくれるヘッドハンターかどうかを見極めましょう。残念なことに、中には紹介実績を増やすためにとにかく件数をこなそうとする人もいます。そう考えると、時には転職にストップをかけてくれるヘッドハンターの心意気も大切です。
私自身の実経験ですが、最近の傾向としておよそ4人に1人のペースで転職を止めているのが実情です。誰にでも転職を勧めるようなヘッドハンターは、必ずしもあなたのキャリアアップを踏まえた提案をしているとは限りません。
気をつけるべきヘッドハンターの口癖・態度
「すぐにも転職しましょう」の一点張りで、逆に転職を止めてくれるような気配のないヘッドハンターは注意が必要です。
どんな候補者にも転職するべき適切なタイミングがあり、それが今なのか、1年後なのか、あるいは数年後になるのかを適切に分析することは、ヘッドハンターの重要な役割なのです。
■経歴書に赤字を入れてくれる人は信頼できる
④経歴書に対する具体的なアドバイスがあるか
当然ですが、ヘッドハンターの目線から経歴書の内容を確認し、必要あれば修正を加えてくれる親身な人かどうかを確認しましょう。反対に、もしヘッドハンターがあなたから受け取った経歴書を、そのままの状態で企業に提出するようであれば注意が必要です。
気をつけるべきヘッドハンターの口癖・態度
「送付いただいた経歴書の内容に全く問題ありませんので、すぐにこのまま企業側に提出しましょう」という回答がきた際は、この段階で付き合い方を変えるべきです。
⑤紹介案件を検討する時間を確保してくれるか
ヘッドハンターから紹介された案件に対して、通常であれば数日から1週間程度の検討期間は必要です。しかし、「案件を提示された翌日までの期限であるので、早く経歴書を提出してほしい」といった具合に、企業からの案件をじっくり検討する時間をあまり与えてくれないヘッドハンターはお勧めできません。
■内定受諾を催促するのは依頼者目線ではない
⑥面接時に依頼者の都合を考慮してくれるか
企業との面接を設定する際は、候補者の都合を事前に確認するのが常識でしょう。企業側から提示された日時を最優先にしようとする姿勢は、ヘッドハンターとしてあるべき姿ではありません。
⑦内定に対して十分検討させてくれるか
企業から出た内定を受けるかどうかは非常に重要な選択となります。候補者に考える時間を与えず、すぐに内定を受けるように働きかけるヘッドハンターには気をつけましょう。
■新天地まで見守ってくれる人を見つけよう
最後に、良いヘッドハンターに見られる特徴も紹介します。
例えば、円満退職のアドバイスを親身にしてくれるヘッドハンターは信頼できます。無事に現在勤務する職場を円満退職し、新しい職場に出社するまで、必要に応じて定期的に親身に対応してくれるヘッドハンターと付き合うようにしましょう。
反対に、候補者であるあなたが内定を受諾した後、連絡が一切なくなるような人もいますが、その態度はヘッドハンターとしてあるべき姿ではないと思います。
もちろん、スムーズに新しい職場で仕事ができる人ばかりではなく、なかには新しい職場に馴染めずにいたり、想定していた仕事と異なり成果がなかなか出せなかったりする状況に陥る人もいます。およそ25年間にわたるヘッドハンターとしての私自身の経験を振り返っても認めざるを得ないのが現実です。
この記事を読まれた方が、転職後もコミュニケーションを継続してくれるヘッドハンターと巡り会い、一緒に転職活動を乗り越えていくことを願っています。
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佐藤人材・サーチ社長、山梨学院大学客員教授
1960年東京生まれ。1984年に一橋大学法学部卒業後、日商岩井株式会社(現・双日株式会社)、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社(現・シティグループ証券株式会社)、株式会社ブリヂストン等、多様な業種において人事業務、営業・マーケティングを中心にキャリアを積み、1997年より人材紹介(スカウト)ビジネスの世界に入る。2003年に佐藤人材・サーチを設立。2013年4月よりシンガポールに拠点を移し、海外での人材紹介ビジネスの研鑽を積む。帰国後、2015年4月より佐藤人材・サーチを再起動する。著書に『今よりいい会社に転職する賢い方法』(クロスメディア・パブリッシング)、『自助の時代 生涯現役に向けたキャリア戦略』(労務行政)など多数。公式サイト https://www.sato-jinzai.com/
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(佐藤人材・サーチ社長、山梨学院大学客員教授 佐藤 文男)
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