コンビニランチで選ぶなら「アップルパイ+生ハム+サラダ」…ダイエットではカロリーより組み合わせを重視したほうがいい理由
プレジデントオンライン / 2024年4月3日 10時15分
※本稿は、齋藤好美『カロリー気にせず食べて健康に痩せる コンビニ3品ダイエット』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■「おにぎり3つ」より「おにぎり1つ+おかず」が満腹になる理由
お腹が空くからとご飯を大盛りにしたのに、すぐにお腹が空いてしまったことはありませんか? 量よりも組み合わせ次第で、満腹感が続くことがあります。「おにぎりを3個」食べるよりも、糖質、タンパク質、食物繊維という3つの栄養素をそろえた「痩せ食トライアングル」に沿って、「おにぎり1個、お味噌汁、目玉焼き」を食べるほうが、腹持ちがいいのです。
ある女性は、いつもお腹が空くので、小さいころから大盛りご飯がやめられずにいたそうです。しかし、糖質、タンパク質、食物繊維の3つをそろえて、おかずも一緒に食べることで、普通盛りでも十分腹持ちがよくなり、半年で8キロも痩せました。
普通に考えれば、摂取カロリーより消費カロリーを増やすか、摂取カロリーを減らすことができれば、「痩せる」ことになります。たとえば、
・野菜のカレーライス……800キロカロリー
・野菜のカレーライスにシーフードをトッピング……950キロカロリー
だとしたら、前者のほうが摂取カロリーが少ないので、痩せそうな気がします。
■カロリー重視で我慢し続けるダイエットは続かない
でも実際には、後者はトッピングを追加することで栄養バランスが整い、食物繊維と一緒にゆっくり消化していくことで腹持ちもよくなり、次の食事までの空腹具合が変わってきます。
前者のカロリーが低いほうを選んだとしても、途中でお腹が空いてしまい、何か別のものを食べたとしたら、結果としてカロリーは増えてしまいます。もしくは我慢したとしても、「お腹が空いて、我慢するのは辛いな」と、ダイエットへのネガティブな感情が増してしまうのです。
栄養バランスが整えば、代謝が上がり、結果として痩せることにつながります。カロリーばかりを考えて食べていても、結局は痩せないのです。
■糖質の量が少ないと便秘や基礎代謝の低下を招く
糖質は、私たちの体や脳にとって、大切なエネルギー源です。
糖質が体内に吸収されると、ブドウ糖という糖に分解されます。そのブドウ糖が不足すると、集中力が低下したり、脳の働きが鈍くなったりします。スタミナ切れを起こしたり、疲れやすくなったり……ということが起きるのです。
糖質制限ダイエットが流行ったように、ダイエットと言えば糖質を減らしがちですが、糖質を適量食べることで満足感、満腹感が得られ、食べすぎを防止できます。
また、糖質を食べることで体温が上がり、代謝がよくなり、「痩せる」ことにつながっていきます。
糖質制限などで糖質を制限してしまうと、一時的には痩せるものの、便秘になる方も。お通じが悪い方は、糖質の量が少ない場合がよくあるのです。また、基礎代謝も下がるので、リバウンドもしやすくなってしまいます。
糖質の重要性はわかっていただけたかと思いますが、とはいえ、むやみやたらに食べると太る原因になってしまうのも確かです。
そこで役立つのが痩せ食トライアングル。1食の中に「糖質」「タンパク質」「食物繊維」をそろえる痩せ食トライアングルのルールに従うことで、糖質の食べすぎを防ぎましょう。
選ぶ糖質は、ご飯やコーンフレーク、オートミールの他、選び方によっては、ダイエットでは敬遠されがちなパンや麺でも大丈夫です。
■タンパク質はたくさんとればいいわけではない
痩せるためには、代謝を上げることが大切です。代謝には、基礎代謝、活動代謝、食事誘発性熱産生の3つがあります。
・活動代謝……立ったり、座ったり、運動したりして消費するエネルギー
・食事誘発性熱産生……温かいものを食べたり、よく噛んだり、食事の消化吸収の際に代謝量が増大すること
このうち、基礎代謝は筋肉の量で決まります。そのため、筋肉に必要なタンパク質を食事の中に入れることが大切です。
ただし、タンパク質も、ただたくさんとればいい、というわけではありません。
とりすぎれば消化に時間を要し、胃腸に負担がかかります。内臓疲労につながったり、タンパク質のとりすぎで腸内環境が悪化し、お通じも悪くなり便秘になってしまったりすることも……。
そこで、ここでも痩せ食トライアングルのルールに従うと、タンパク質だけを食べる、という偏りがなくなり、バランスのよい食事ができます。
栄養は「食べ貯め」できないので、3食に分けてタンパク質をとりましょう。朝は忙しいからとトーストとコーヒーだけにして、夜にまとめてタンパク質の多い食事を食べる、といった食べ方では、栄養のバランスもとれず、せっかく食べていたとしても、痩せることにつながりません。
また、タンパク質には動物性と植物性があり、納豆、豆腐、豆乳などの植物性タンパク質のほうがヘルシーなイメージがあるかもしれません。ですが、動物性タンパク質にもよさがあるため、両方とも食べることをおすすめします。
■食物繊維を3食とって腸内環境を整える
食物繊維は、野菜や果物、こんにゃくや海藻、キノコ類などに含まれます。
朝ごはんは忙しいから野菜なし、昼ごはんも手軽にラーメンだけで野菜は上に乗っているネギだけ、その代わりに夜ごはんにまとめてたくさん食べる……というまとめ食べは、よくやりがちだと思います。
でも、これはおすすめできません。3食に毎回、食物繊維を取り入れて、コンスタントに食べていただきたいのです。
食物繊維は、血糖値の急上昇を防ぎ、脂肪がつくのを防いでくれます。余分な脂質や糖を体の外に出してくれる効果もあります。
また、食物繊維が不足すると、胃腸の働きが弱くなり、代謝の機能が落ちて痩せにくい体になってしまいます。
さらに、食物繊維が不足して便秘になると、腸内環境が悪くなり、体に取り入れたい栄養がうまく吸収できなくなってしまいます。結果として、太りやすい体になってしまうのです。
しっかり食物繊維をとって、腸内環境を整えることが、「痩せやすい体」づくりのポイントです。
■野菜ばかり食べているのに痩せないのはなぜか
ただし、逆に食物繊維をとりすぎていてお通じが悪くなる、ということもあります。野菜ばかり食べている、でも痩せない、お通じが改善しない……という場合は、もしかすると、食物繊維をとりすぎているのかもしれません。
そんな方こそぜひ、コンビニ3品ダイエットのルールにそって、3つの食品をそろえてみてください。自分にとって何が不足していて、何が多いのか、1食の中でそろえてみるとわかってきますよ。
また、食物繊維→タンパク質→糖質の順に食べることもポイント。これによって血糖値の急激な上昇を防ぎ、より満腹感を感じることができて、ダイエットを順調に進めていくことができます。
■甘党におすすめのコンビニランチ3品
では、実際にどのような3品の組み合わせがいいのでしょうか。ランチにおすすめなコンビニ3品メニュー例をピックアップしてご紹介しましょう。
〈昼の痩せ食トライアングル〉
(1)アップルパイ
りんごに含まれるペクチンは、加熱すると増えて、腸内環境を整える効果があります。代わりにオススメなさつまいも蒸しパンは、さつまいもが食物繊維が豊富、低GI食品で、血糖値が上がりくく脂肪にもなりにくいです。
(2)生ハム
調理せずに食べられる生ハムは、手軽にパンに挟んだり、ラーメンの具材にしたりとアレンジが効いて便利です。ただ、塩分が多いので、その日は水分をしっかりとって、むくみを防止しましょう。
(3)袋サラダ
袋サラダは、種類も豊富でアレンジもしやすく、食物繊維の大定番! ちょっとひと手間加えられる環境なら、マヨネーズとお酢であえてコールスロー、レンジで加熱して温野菜、ごま油と塩であえてナムル、オリーブオイルとレモン果汁で野菜マリネ……と、アレンジも無限大です。
甘いものが好きな方は、アップルパイを糖質として選んでOK! ただ、単体で食べると、血糖値が上がりやすく脂肪になりやすいというデメリットが。そこで、袋サラダをプラスして、血糖値の上昇を緩やかにしましょう。
ただ、その2品だけだと腹持ちの面で心配なので、生ハムなどのタンパク質も一緒にとってください。栄養バランスがアップし、腹持ちもよくなります。生ハムはカロリーも控えめです。
このように、コンビニでも手軽にバランスの良いメニューがそろいます。ぜひ参考になさってください。
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イートバランス代表取締役、ビバランスダイエット協会代表理事
30年間にわたり15キロのダイエットとリバウンドを繰り返す人生の中で、太っているのに病院で「栄養失調」と診断される。効率よく簡単に「栄養バランス」をとるオリジナルのダイエット方法を探求し、半年で7キロ減。「ビバランスダイエット」を立ち上げ、3年間で5万食以上もの食事にアドバイスを行う。
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(イートバランス代表取締役、ビバランスダイエット協会代表理事 齋藤 好美)
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