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エチオピア・ティグレ州:スタッフ殺害の調査を要求 活動停止で人命救助に空白も

PR TIMES / 2021年7月8日 18時15分

国境なき医師団(MSF)は、エチオピア北部ティグレ州で6月24日にスタッフ3人が殺害されたことを受け、同地の紛争当事者に対し、この殺人事件の即時調査を求める。また、援助従事者の活動の安全が担保されない中、MSFは同州中・東部のアビ・アディ、アディグラト、アクスムでの活動を停止する。一方、同州の他の場所における緊急医療・人道援助活動は慎重に継続していく。



[画像1: https://prtimes.jp/i/4782/531/resize/d4782-531-f2bebb7f76fc444b1a1f-0.jpg ]




人命無視の暴力はびこる


MSFオペレーション・ディレクターのテレサ・サンクリストバルは、同僚を失った悲しみの中で次のように述べる。「事件から2週間ほど経過しましたが、犯行声明は聞かれず、3人が命を奪われた状況もはっきりしません。MSFは、紛争当事者による速やかな事実調査と、事件の経緯および犯人の詳細な情報提供を改めて求めます。同時にMSFは、ティグレの一部地域での活動停止という、痛恨極まりない決定に至りました」

殺害されたのは、緊急対応コーディネーターを務めていたマリア・エルナンデス(35)、アシスタント・コーディネーターのヨハンネス・ハレフォム・レダ(31)、運転手のテドロス・ゲブレマリアム・ゲブレミカエル(31)の3人。いずれもMSFロゴの入った服を身に着け、MSFと明らかに判別できる車両で移動していた。現地での活動は2021年2月に始まり、国際人道法に則して、各方面の関係者との協議と合意のもとで医療・人道援助活動に専念していた。

しかし、3人の殺害が示すように、この紛争では人命を無視した暴力がたびたび目撃されてきた。サンクリストバルは、「この地域における民間人への残虐行為のひどさは、衝撃的です」と話す。


人道援助活動の尊重が不可欠


2020年11月のティグレにおける紛争ぼっ発以来、医療・人道援助従事者が直接の標的となり、医療施設や救急車が略奪、破壊、軍事目的での搾取に遭っている。MSFスタッフも脅迫や暴力の被害を受け、支援先医療施設への武力侵入の目撃例もある。さらに、MSFを含む援助団体に対して不当な嫌疑をかける声明が出されるなど、現場チームの安全は危険にさらされてきた。

MSFなど援助団体がティグレをはじめエチオピアで活動を続けるには、活動の安全をすべての紛争当事者が保証する必要がある。サンクリストバルは、「紛争当事者は、今回のような事件が二度と起こらないよう責任を果たすべきです。医療・人道援助スタッフが信頼と協力体制の中で安全に活動を行えることが大切です。人道援助団体が人びとのニーズに応じて独自の立場から公平に援助を届けることが認められなければなりません」と訴える。

[画像2: https://prtimes.jp/i/4782/531/resize/d4782-531-feb61f761741d04298c5-1.jpg ]




活動停止の影響


アビ・アディ、アディグラト、アクスムにおけるMSFの活動停止により、地域住民には医療・人道の両面で大きな影響が及ぶものとみられる。MSFは過去半年、この3カ所で合計9440人の救急処置、763件の救命手術、3000人超の入院治療、妊婦3300人超の分娩介助、365件の緊急帝王切開、性暴力被害者335人の治療、1444人の心の健康支援を提供。活動停止に先立ち、州保健局や複数病院に医療物資を寄贈したものの、治療の必要な患者が多く圧倒的に不足している。

サンクリストバルは、「活動停止によって人命救助に空白が生まれるでしょう。手当てを受けられない患者は増加し、一部の人は亡くなる恐れもあります。また、わずかに存続する地元保健医療への負担は深刻だということも承知しています。しかし、MSFスタッフも、危機に見舞われた人びとのニーズに応じて、安全に人道援助を行えなければならないのです」と述べる。

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