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サントリー文化財団 2021年度 海外出版助成の決定

PR TIMES / 2022年4月12日 19時15分

公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、2021年度の海外出版助成として、下記の12件を助成対象に決定しました。助成総額は584万円です。

当助成事業は、海外における日本理解の促進を目的に、日本語で書かれた優れた研究業績または日本について書かれた書籍の、外国語への翻訳および外国語での出版に対して助成を行うものです。

昨年度までに英語をはじめ、計28カ国語による323件の出版を助成対象として決定し、日本人の業績や日本文化を幅広く海外に紹介しています。

*選考委員
池内 恵氏 (東京大学教授)
遠藤 乾氏 (東京大学教授)
久保 文明氏(防衛大学校長)
張  競氏 (明治大学教授)
渡辺 靖氏 (慶應義塾大学教授)

― 記 ―
1.本年度の助成対象図書の概要
ア.英語での出版
『東京ブギウギと鈴木大拙』(山田 奨治著)
西欧に禅を広めた学者として広く知られる鈴木大拙と、その養子で戦後歌謡を代表する「東京ブギウギ」の作詞家・鈴木アラン勝とのこれまで語られることのなかった関係を明らかにした書籍。英語圏での鈴木大拙の再評価に寄与することが期待される。ミシガン大学出版局(アメリカ)から出版予定。

『レンマ学』(中沢 新一著)
東洋文化の土台をなす知性作用「レンマ」は、西洋型知性の基礎をなす「ロゴス」の圧倒的影響力の前に影の薄い存在だったという。本書ではこの関係を転換させ、東洋と西洋を結合した知性の道筋を示す。Routledge社(イギリス)から出版予定。

イ.イタリア語での出版
『野菊の墓』(伊藤 左千夫著)
イタリアにおける日本文学への関心は高く、その対象は古典にまで広がっている。本書は同著者の「浜菊」「姪子」「守の家」も同時収録の予定。イタリア語での伊藤左千夫作品の出版は初めてとなる。Lindau社(イタリア)より出版予定。

『六〇〇〇度の愛』(鹿島田 真希著)
長崎を舞台に、日常を捨てた主婦とロシア人青年との恋愛を描いた長編小説。社会不安やフェミニズムなど、様々な要素を含む本書は、女性を取り巻く社会規範や文化についても考えさせる内容になっている。2005年、第18回三島由紀夫賞受賞作。E/O Edizioni(イタリア)より出版予定。

ウ.カンボジア語での出版
『アンコール・ワットと私』(石澤 良昭著)
ポル・ポト政権下において、アンコール・ワット遺跡保存官が多数虐殺された歴史がある。本書は、著者がこの遺跡保存官養成に約40年にわたって尽力した様子を記録したもの。カンボジア語での出版への助成は、当プログラムでは初めて。カンボジア情報サービス(カンボジア)より出版予定。

エ.チェコ語での出版
『日本近代史年表及び事典』(デビッド・ラブス著)
幕末から第二次世界大戦後までの日本近代史について、年表と用語集を組み合わせたチェコ語の事典。日本史専門家の著者による事典の出版を機に、日本理解のさらなる促進が期待される。Karolinum Press(チェコ)より出版予定。

オ.ハンガリー語での出版
『百人一首』
百人一首の翻訳に加え、それぞれの和歌や歌人、和歌の背景にある習俗などについての詳細な解説も収録予定。ハンガリーにおける古典和歌と日本文化への理解を深めることを目指す。Balassi Kiadó(ハンガリー)より出版予定。

カ.ベトナム語での出版
『俳句歳時記 ―― 日本“季節の言葉”の知恵』(グエン・ヴー・クイン・ニュー著)
日本独特の歳時記・季語の紹介やベトナムにおける俳句創作のトレンドも論じる書籍。気候が日本とは異なるベトナムで、日本の季節や風土を理解するための一助となることが期待される。LITERATURE PUBLISHING HOUSE(ベトナム)より出版予定。

キ.ヘブライ語での出版
『Japan, the Jews and Israel(日本、ユダヤ人、イスラエル)』(メロン・メッズィーニ著)
2022年は日本とイスラエルとの外交関係樹立70周年にあたる。近年イスラエルでは日本への関心が増しており、本書出版を通じさらなる日本理解の促進が期待される。ヘブライ語での出版への助成は当プログラムでは初めて。Carmel Publishing House(イスラエル)より出版予定。

ク.韓国語での出版
『国家と音楽 ―― 伊澤修二がめざした日本近代』(奥中 康人著)
近代日本における伊澤修二の音楽教育活動の意義を新たな視点で分析し、著者は本書で2008年「第30回サントリー学芸賞」を受賞。伊澤の作った唱歌は日本の植民地時代に台湾や朝鮮でも歌われており、本書の出版が、日韓の近代音楽史理解のための有益な一助となることが期待される。民俗苑(韓国)より出版予定。

『日韓国交正常化交渉の政治史』(金 恩貞著)
1952年から1965年まで行われた日韓国交正常化交渉に焦点をあて、戦後日本の韓国外交を再検討する書籍。今日の日韓関係の礎となっている日韓請求権協定についても論じられており、両国の歴史を理解する上で有益な資料となる。著者は本書で2018年「第30回アジア・太平洋賞」特別賞を受賞。図書出版ソンイン(韓国)から出版予定。

ケ.中国語での出版
『日本統治時代台湾における惟神之大道(かんながらのだいどう)派の展開と皇民小説の虚実』(頼 衍宏著)
日本統治期の台湾における、神道の普及と皇民化運動との関連について論じた書籍。特に、この時期発表された「皇民文学」に着目することで、皇民化運動の実態を明らかにする。鴻儒堂出版社(台湾)から出版予定。

2.これまでに助成を決定した中から、2021年度中に次の書籍が完成しました。
・『An I-Novel(私小説)』(水村 美苗著、英語、コロンビア大学出版会)
・『Statistical Universals of Language: Mathematical Chance vs. Human Choice(言語の統計的普遍性:数学的偶然か人間の選択か)』(田中 久美子著、英語、Springer International社)
・『TOKYO: ART&PHOTOGRAPHY(トーキョー:アートと写真)』(レーナ・フリッチ、クララ・ポラード編、英語、アシュモレアン美術・考古学博物館)
・『一月物語』(平野 啓一郎著、イタリア語、Lindau社)
・『最愛の子ども』(松浦 理英子著、イタリア語、Atmosphere Libri社)
・『平家物語』(セルビア語、Publishing Agency KOKORO)
・『中国外交と台湾』(福田 円著、中国語、五南図書出版社)
・『千年の愉楽』(中上 健次著、中国語、南京大学出版社)』
・『兵隊たちの陸軍史』(伊藤 桂一著、ドイツ語、Lit Verlag)
・『Book of haikus by Kobayashi Issa(小林一茶俳句集)』(ベラルーシ語、Halijafy社)

(敬称略、肩書は2022年4月時点のもの)

以上

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