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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対する「ファセンラ」の第3相試験で主要評価項目を達成

QLife / 2023年10月19日 9時20分

血管炎によりさまざまな臓器に損傷が引き起こされるEGPA

 アストラゼネカ株式会社は2023年9月19日、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)患者さんを対象とした「ファセンラ」(一般名:ベンラリズマブ(遺伝子組換え))の第3相試験の良好な結果を発表しました。試験の主要評価項目であるEGPAの寛解率において、現時点での唯一の治療薬・メポリズマブ(製品名:ヌーカラ)に対する非劣性を示しました。

 EGPAは、小型から中型の血管の炎症によって引き起こされる、まれな免疫介在性の血管炎です。患者さんの約半数は成人発症型の重症好酸球性喘息を併発しています。肺、皮膚、心臓、消化管、神経などさまざまな臓器に損傷を引き起こす可能性があり、時間の経過とともに蓄積し、治療を行わなければ死亡に至ることもあります。EGPAの治療は限られており、慢性的な高用量経口ステロイドで治療されることが多く、減量を試みた場合に再燃する可能性があります。

ファセンラの月1回注射とメポリズマブの月3回注射を比較

 今回行われた「MANDARA試験」は、再燃性または難治性のEGPA成人患者さんを対象に、ファセンラの有効性および安全性をメポリズマブと比較した第3相試験です。参加者は、4週ごとにファセンラ30mgを単回皮下注射するグループ、またはメポリズマブ100mgを3回皮下注射するグループのいずれかに、それぞれ70人ずつ(1:1の割合で)無作為に割り振られました。主要評価項目は、36週時および48週時の両時点において寛解を達成していた患者さんの割合でした。

 ファセンラは好酸球の表面に発現するインターロイキン-5(IL-5)受容体αに直接結合するモノクローナル抗体で、ナチュラルキラー細胞を引き付けて、アポトーシス(プログラム細胞死)を誘導し、ほとんどの患者さんの血液中および組織中の好酸球を直接的に除去します。日本ではすでに、気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症または難治の患者に限る)の効果・効能で承認されています。

ファセンラ投与群のEGPA寛解率、既存治療薬と比べて遜色なし

 試験の結果、主要評価項目を達成し、EGPAの寛解率においてメポリズマブに対する非劣性が示されました。また、安全性および忍容性プロファイルは、ファセンラの既知のプロファイルと一致していました。

 治験責任医師のMichael Wechsler医師は、「現在の標準治療に遜色ない寛解率を達成することができることを示しており、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の治療選択肢としてのベンラリズマブの重要性を高めるものです」、と述べています。(QLife編集部)

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