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ペット後進国からペット大国へ、「犬より猫」が出現した中国の事情とは―中国メディア

Record China / 2024年4月1日 23時40分

生活が忙しくなったことで犬を敬遠

国家2級心理カウンセラーの何自容氏は、「ディンクスの家庭はペットを選ぶ上で、ペットそのもの特徴と飼育の利便性を考慮します。ペットが違えば、飼い主が得られる感情もペットとの関係も異なります。猫の飼育は犬より楽で安心できるかもしれません。犬の飼育では、感情の交流と人が得られる活力はより強くなるかもしれません」と説明した。

何氏によると、犬と猫では飼い主の得られるものが違ってくる。本来ならば、ペットを飼うことで何を得られるかを重視せねばならないが、実際には「犬より手間がかからない」という理由で猫を選択する人が急増した。

四川省成都市に住む勤め人の冉さんはかつて、コーギー犬を飼っていたが、仕事の都合などで他人に譲って、猫を飼うようになった。今年の春節(旧正月、24年は2月10日)の時期に帰省した際には、飼い猫のために十分な猫砂と水、キャットフードを準備しておいた。実家で年越しをしてから自室に戻った際には、室内は清潔なままだったという。

冉さんによると、犬を飼っていた時期には犬の吠え声で近隣住民から苦情を言われたこともある。散歩に連れていけばどこでも大小便をして、室内での「破壊行為」もあった。冉さんは、犬を教育する時間も十分に取れなかったと説明した。

「犬害」の多発で飼育に規制強化、猫に対しては「手加減」

飼育しているペットを手放すことは、「理想」とは言えないだろうが、冉さんのように新しい飼い手を見つけて引き取ってもらうならば、良心的と言えるだろう。しかし中国では、飼い犬を「捨てる」現象も問題になっている。まず懸念されるのは狂犬病などの問題だ。重慶流浪動物救助基地旺汪家園ペットセンターの責任者である陳明才氏は、狂犬病に罹患するのは犬だけでなく、全ての哺乳動物に感染の可能性があると説明した上で、イヌ科の動物は移動が激しいので、伝染の危険度は高いと指摘した。

また犬の場合、野犬に限らず人を深刻に傷つける可能性がある。猫の場合は人を傷つけた場合でも、かみ傷や引っ掻き傷を負わせる程度で、被害を受けたら必要と思われるワクチンを接種すれば問題はほぼなくなる。しかし犬の場合には、人が襲われて死亡する事例もある。

行政側も「犬害」にはより厳しい姿勢で臨むようになった。例えば重慶市は、23年6月1日に正式施行した「重慶市犬飼育管理条例」に、犬を飼育する場合の管理責任と1世帯当たりの飼育制限数、犬飼育登録制度などを明記し、犬を遺棄した場合の重罰も定めた。

最高人民法院(最高裁)は24年2月5日付で、動物の飼育による人への損害の典型的な事例を紹介し、文明的に犬を飼うことや、各地方政府が定める法律や規則に従って犬を飼うように呼びかけた。

重慶市の旺汪家園ペットセンターで動物保護を担当する陳明才氏によると、捨てられた猫を保護する場合もあるが、件数としては犬の方が圧倒的に多い。同センターではこれまでに飼い主のいない動物2000匹以上を保護したが、うち犬は1700匹以上で猫は200匹以上という。

犬は動物としての特性もあり、不注意な飼育や無責任な飼育放棄で他人に被害を及ぼすことが多い。そのため中国各地で規制や問題を起こした飼い主に対する厳罰の適用が進められている。一方で、猫の飼育について、当局は今のところ「手加減」している状態という。(翻訳・編集/如月隼人)

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