中国初の「AI音声権利侵害」訴訟、被告に25万元の賠償命じる判決
Record China / 2024年4月25日 11時20分
中国で初となるAI生成音声の人格権侵害訴訟で、北京インターネット裁判所は23日、一審判決を言い渡しました。
中国で初となる人工知能(AI)生成音声の人格権侵害訴訟で、北京インターネット裁判所は23日、一審判決を言い渡しました。裁判所は、声優である原告・殷氏の声の権利は本件のAI音声にまで及ぶとし、被告が合法的授権を有さずに殷氏の声を無断で使用しAIテキスト音声変換製品を開発したのは権利侵害行為にあたると認定。被告に対し、原告への書面による謝罪と計25万元(約534万円)の損害賠償を命じました。
声優として長年にわたり吹き替えやアナウンスに携わってきた殷氏は2023年5月、AI技術によって処理された自分の声が、「魔小璇」名義で「魔音工房」という名称のアプリ内で販売されていることを発見しました。殷氏は、被告の行為について、自分の声の権利を著しく侵害しているとし、「魔音工房」を運営する北京の企業など5社を北京インターネット裁判所に提訴。権利侵害行為を直ちに停止し、自身に謝罪し、同時に経済損失と精神損失を賠償するよう求めました。
被告側は権利侵害を否定し、原告とは以前仕事をしたことがあり、その際、録音・制作された作品の著作権は被告側に帰属すると約束したと主張していました。
裁判所は「個人の人格権の一つである声は、独特性と専属性を有する。いかなる自然人の声も法律によって保護される。録音製品だけへの授権は、声そのものへの授権を意味しない。音声製品中の声の無断使用または他人への使用許可は、権利侵害行為にあたる」と指摘しました。(提供/CRI)
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