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2000万円以上の車両保険認定も…ネオクラブームで注目高まる「クラシックカー保険」

レスポンス / 2022年12月21日 19時30分

ネオクラシックカーブームで、かつての名車を購入しようという人も少なくない昨今。いざ手に入れた後に気になるのはメンテナンスや故障時のこと。そこで、注目が高まっているのが「クラシックカー保険」だ。


クラシックカーに特化した保険は現在、国内ではチャブ損害保険が扱う商品のみ。同社では20年以上前から取り扱っているが、最近は「バブルの頃、憧れたクルマに乗りたい」という人が増え、引き合いが多くなっているという。


通常の自動車保険の車両保険は、車両を“輸送機械”として見るため、基本的に製造から時間が経てば経つほど評価額は減額となり、10年も経てば1割以下となってしまうのが一般的だ。しかし、クラシックカーやヒストリックカー、ビンテージカーと呼ばれるクルマは、取引価格が新車価格からあまり下がっていないものや、中には新車価格を上回るプレミア価格が付いているものもある。このため、ひとたび事故などのトラブルに見舞われると、ほぼ全額自己負担となってしまうことも少なくない。


一方、クラシックカー保険は、車両を“動く美術品”として捉え、市場の取引価格に準じて評価額を決定するのが大きな違い。毎年減額されることもなく、市場価値が高騰した場合は契約更新時に見直すこともできる。そのため、万が一の際の安心感が高く、価値のある古いクルマに乗る人から注目を集めている。


年式やモデル、状態、契約時の市場動向などにより評価額は変動するが、過去の事例ではポルシェ『911(E-964)』が700万~900万円、日産『スカイラインGT-R(BNR32)』が500万~800万円、マツダ『RX-7(FD3S)』が300万~400万円、マツダ『ロードスター(NA6CE)』が150万~200万円のほか、高額なものでは1962年式ジャガー『Eタイプ(2ドアロードスター)』が2900万円、1997年式フェラーリ『F355B』が2000万円の認定を受けているという。


チャブ損害保険のクラシックカー保険は、一般の自動車保険と同じ仕組みの商品で、他社の自動車保険から切り替える際にはノンフリート等級の継承も可能。一方で、製造後25年以上であることや、年間走行距離が5000km以下であること、といった加入条件を設け、車両保険価格の認定時には外観などを入念に確認するという違いがある。


保険に付帯のロードサービス(法人契約の場合はオプション設定)が30万円までと手厚いのも特徴で、専門知識を持った工場や馴染みの工場に持ち込みたいというクラシックカーオーナーの意向を汲んだもの。提携のロードサービス業者もクラシックカーに強い業者を選定していたり、車両に傷が付きにくいよう、運搬は吊り下げ式ではなく、ローダー式に限定しているという配慮もされている。


また、交通法規制に従って行われる公道でのラリーイベント(ラ・フェスタ・ミッレミリアなど)での事故を補償の対象範囲内としたり、1975年以前に製造されたクルマの保険料を20%割り引くなど、クラシックカーオーナーに寄り添ったユニークな取り組みもある。


ただ、需要が拡大しているとはいえ、非常に限られたターゲット層の保険。このように非常に手厚い補償内容がどのように成り立っているのかは気になるところだ。


そこで、チャブ損害保険の担当者に尋ねると、「イベントでの走行のみや動態保存のために定期的にエンジンを温めるだけという方も多く、事故率は非常に低い」と言い、特に全損は、火災など交通事故以外の原因によるものが大部分だという。


さらに、チャブ損害保険の前身のエース損害保険が吸収合併したチャブ・コーポレーションは古くからイギリスでビンテージカー・クラシックカー専門の保険商品を扱ってきた会社で、ノウハウが確立されていることや、再保険を利用して、リスク管理を行っていることも分かった。

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