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<朝晴れエッセー>わが家って…

産経ニュース / 2024年5月8日 5時0分

スマホを見ていたら「古城ホテルに泊まる旅」という広告が出た。お城かぁ、維持費が大変そう。などと所帯じみたことを考えていると昔自分もお城に泊まったことがあるのを思い出した。

大学時代の話で場所はよく覚えていないがイタリアのどこか。元は貴族のお城だったというホテルで上階にはオーナー一家が居住中。夕食後、ロビーで壁の肖像画を眺めていたら「それは私の先祖です」。流暢(りゅうちょう)な日本語の主は城の現所有者、ご当主様だった。日本に留学経験があるというこの方と話がはずみ「よかったらホテルの部屋でなくわが家の方に泊まりませんか」と招待を。一瞬躊躇(ちゅうちょ)したが好奇心に負けて受けることにした。

案内された部屋には巨大なシャンデリアと豪華な調度品。まさに「絵にも描けない美しさ」。世の中にはこういうのをわが家と呼ぶ人もいるのねェとため息しきり。

部屋の奥には絵本のお姫様が使っているような天蓋つきのベッドがあった。で、お姫様気分を味わったかって。それが全然。豪華な寝具を汚さないようにバスローブとタオルでグルグル巻きの完全装備。ミイラのようになって横たわった夜の長かったこと。私って間違いなく庶民だわと思い知らされた一夜だった。

清水奈緒美(67) 愛知県日進市

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