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阪神「アレンパ」は苦戦の歴史 貧打と主力の故障続出…今季こそ6度目の正直なるか

産経ニュース / 2024年5月6日 14時0分

2004年の阪神の新外国人キンケードは期待には応えられなかった=甲子園(安部光翁撮影)

今季のプロ野球が開幕して約1カ月。阪神は2年連続の日本一を目指し、懸命の戦いを続けている。1950年の2リーグ分立以降、阪神は昨季を含めて6度のリーグ制覇を果たしているが、2年連続が一度もない。過去5度の連覇への戦いを振り返ると、攻撃力不足と故障者続出という悔しい歴史が見えてくる。

岡田彰布監督にとって「アレンパ」(連覇の意)への挑戦は今季が3度目。1度目は2004年。前年に18年ぶりのリーグ優勝を果たして退任した星野仙一監督の後を受け、指揮官に就任したシーズンだ。4番に固定された金本知憲が113打点でタイトルを獲得。赤星憲広が入団から5年連続の盗塁王に輝いて気を吐いたが、新外国人のキンケードが期待外れに終わるなど、チーム打率はリーグ最下位。投手陣も前年13勝の伊良部秀輝が勝利なしと大誤算。チームは5割付近を行ったり来たりで、最終的に66勝70敗2分けで4位に終わった。

ただ、後に指揮官はこのシーズンについて「星野さんから優勝したチームを引き継いで、自分の色を出しにくかった」と語っている。その中で新人の鳥谷敬を遊撃で辛抱強く使い、藤川球児を26試合に登板させるなど、翌シーズンの逆襲への準備は進めていた。

05年は藤川、久保田智之、ジェフ・ウィリアムスの最強リリーフ陣「JFK」の活躍で2年ぶりの優勝。岡田監督にとって2度目の連覇への挑戦だった06年は4月9日に金本が904試合連続フルイニング出場の世界記録を達成。チームは5月下旬に首位に立つが、6月に入って主軸の今岡誠(現真訪)が故障離脱。夏場に足踏みしている間に中日に抜かれ、差は広く一方。9月に9連勝と意地を見せたが、最終的には84勝58敗4分けで中日に3・5ゲーム差の2位と力負けした。この年、中日との対戦成績は7勝14敗1分け。敵地のナゴヤドームでは開幕から10連敗の1勝10敗と、まさに「鬼門」。10連敗目の9月16日には山本昌にノーヒットノーランを達成された。

岡田監督の第1次政権の04~08年の5シーズンでセ・リーグ優勝は阪神(05年)、中日(04、06年)、巨人(07、08年)だけ。3強による戦いでは、主力の離脱、不調などのほころびは命取りになっていた。

吉田義男監督の第2次政権の1年目、1985年はバース、掛布雅之、岡田のクリーンアップを中心にした強力打線で初めて日本一になった。その翌年の86年は60勝60敗10分けで3位。優勝した広島には13・5ゲーム差だった。

このシーズンも主力に故障が出た。85年に打率3割、40本塁打をマークした4番の掛布だ。4月に左手首に死球を受けて骨折。5月に復帰したが、6月に打球を右肩に受けて登録抹消。その後もケガに悩まされ、67試合の出場で打率2割5分2厘、9本塁打にとどまった。また、もともと不安視されていた投手陣も、前年9勝を挙げたエース格の池田親興が5月に故障で離脱し、わずか4勝だった。バースが打率3割8分9厘、47本塁打、109打点で2年連続三冠王に輝いたが、チームの不調をカバーできなかった。

残りの2度は藤本定義監督が指揮を執った63、65年。小山正明、村山実の両エースがそれぞれ27勝、25勝を挙げて2リーグ分立後、初の優勝を成し遂げた62年。その翌年は村山が内臓疾患や右手指の血行障害などが響いて11勝。小山も14勝と勝ち星を伸ばせなかった。打撃陣は主砲の藤本勝巳が故障に泣き、総得点はリーグ4位と迫力不足。優勝した巨人に7勝21敗と大きく負け越し、69勝70敗1分けの3位に終わった。

得点力不足解消のため、その年のオフ、小山と大毎(現ロッテ)の主軸、山内一弘のトレードを敢行。64年は「世紀のトレード」効果で2年ぶりにリーグ優勝した。連覇を狙った65年も故障と貧打がチームの足を引っ張った。村山が右手首の故障、バッキーが虫垂炎の手術とシーズンを通しての活躍ができず、打線も打撃ベストテンに誰も入らない成績で、総得点はリーグ5位。成績は71勝66敗3分けの3位。優勝は巨人。このシーズンがV9の始まりとなった。

今季の阪神は得点力不足を抜群の投手力でカバーする戦い。主力打者が不調でも、いつかは調子を上げてくるときがくる。やはり怖いのは故障だ。過去5度の「失敗」を繰り返さないためには、ナインにアクシデントが起こらないのを祈るばかりだ。(プロ野球取材班)

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