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「梨泰院クラス」から「財閥×刑事」へ 御曹司のキャラ変 イマドキTV+

産経ニュース / 2024年4月27日 8時30分

タイトルだけで手を出しちゃう本やドラマがたまにある。ディズニープラスで配信中の韓流コメディー「財閥×刑事」もその一つ。

財閥で刑事と聞くと、私たちの世代は本宮ひろ志さんのマンガ「俺の空・刑事編」を思い出す。安田財閥のやんちゃな御曹司が、警視庁の一刑事として巨悪に立ち向かうという大ヒット作。映像化もされている。

なので、もしかしたら日韓リメークかと思ったけど、オリジナル作品だった。ギガ金持ちにヒラ刑事をやらせたら面白そうじゃね?という着想は世界共通らしい。

世間知らずの財閥御曹司、チン・イスを演じるのはアン・ボヒョンさん。ややこしいことにこの人は「梨泰院クラス」でも財閥2世を演じていた。そのときの強烈な悪役イメージが焼き付いていて、またまたキザなボンボンだから、頭をリセットするのが一苦労でしたよ。

誤認逮捕をきっかけに警察官の肩書を得たイスは、ヘリで犯人を追ったり、強力なコネで情報をゲットしたり、無限の資金力と華麗な人脈を駆使して難事件を解決。次第に刑事という職業に魅力を感じていくのだが…というのがストーリー。

ファンタジー的痛快さもあるし、主人公の出自が複雑だったり、ヒロイン役の刑事が理不尽な目に遭ったり、と辛口で濃いめな人間ドラマにも引き込まれる。チラ見のつもりが全16話を一気見してしまった。

財閥に対する庶民の感覚って日韓両国でかなり違うようだ。日本で財閥の御曹司やご令嬢と言われても、私には「きっと金もコネもあるんだろうねぇ」みたいな曖昧なイメージしかない。

だけど韓流ドラマでは、はっきり悪役ということが多い。政財界を牛耳って私腹を肥やし、権力を振りかざしてやりたい放題。日本の時代劇でいうところの悪代官の役回りだ。本作でも主人公が全然仲間から信頼されないとか、財閥なのに正義漢というギャップをフル活用。ってことは、アンさんの悪役イメージも制作サイドの計算のうちだったかも。(ライター 篠原知存)

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