《漫画あり》『リラックマ』のキャラクター原案者が生み出した、ハラマキがトレードマークのくたびれたおっさんネコの日常
集英社オンライン / 2024年3月25日 11時0分
腰痛持ちで言動がジジむさいことから“ニャーおっさん”と呼ばれる、二足歩行をするネコ。そんなニャーおっさんの日常を描いたほっこりキャラクターのギャグ漫画『ニャーおっさん』がついに完結! 少女漫画誌「りぼん」での約9年の連載について、作者のコンドウアキ氏に制作の裏話を聞いた。
“キャラクター”というものは、作者ではなくお客さんのもとに存在する
――ハラマキがトレードマークの『ニャーおっさん』というジジむさいネコのキャラクターを思いついたきっかけはなんでしょう?
コンドウアキ(以下、同) もともと『ニャーおっさん』は、クリエイティブカンパニーである『プリンツ21』さんが運営するキャラクターサイトのキャラクターとして生まれました。どこか哀愁のある猫を描きたいな、と思ったのがキッカケに。
タコ社長やチュー坊など周りのキャラクターたちは…なんなら猫に食べられそうなモチーフですね…。そんなつもりはなかったのですが、今改めて思い返して、「あっ」となっています(笑)。
『ニャーおっさん』に限らず、私はもともとキャラクターには「こういう風に受け取ってほしい」という作り手の思いをなるべく乗せないように、と思って作成しています。
もちろん、仕事を依頼してくださるクライアントさんの「こういう感じがいい」というご要望をうかがって落とし込むようにしますが、あくまで私自身の思いは乗せないというか…。世界観は大事に作りたいと思っていますが、受け取り方はユーザーさんや読者さんの自由だと思っています。
キャラクターも本も、作者の手を離れた後は、ユーザーさんや読者さんのところに存在します。生活の一部に寄り添えたらいいなとは思いますが、思ってもそこまでです。だから『ニャーおっさん』も、そういう意味では何か最初からメッセージ性があるわけではないんですよね。
――『ニャーおっさん』だけでなく『リラックマ』や『うさぎのモフィ』など、コンドウさんはたくさんの個性的で親しみやすいキャラクターを生み出されていますが、キャラクターを考える上で意識していることなどはありますでしょうか。
絵を描くことが苦手な方でも描きやすく、でしょうか。なるべくシンプルに描きやすく、というキャラクターを目指していますが、毎年どんどん新しいキャラクターが世の中には増えていくので、他と似ないように、そしてシンプルに、って難しくなっているなぁと思っています。
――作家としてお仕事をされてから、約20年。今までの作品を改めてまとめた『コンドウアキのおしごと展』が現在、全国巡回中ですね。いらしたお客さまの反応を見て、うれしかったことや意外だと思ったことなどはありますか?
フリーになって20周年、絵のお仕事を始めてからは27年目になるのですが、「幼稚園の頃から大好きです!」 とか「親子三代で好きです!」と言っていただくと「ええええ!?」となります。
ぼーっと机に向かって過ごしてきた時間が、「そうか、0歳が成人してしまう年月だなあ」と……。展示をするまであまり意識していなかった長い時間を、いらしてくださったお客さまからのメッセージを見たりなどして、改めて実感しつつもびっくりしたりしています。
――2023年12月28日発売の「りぼん2024年2月超特大号」で最終回を迎えた『ニャーおっさん』ですが、隔月連載はいかがでしたか。
私はキャラクター畑の人間ですので、コマ割りとか話の流れとか、読者の方が読みやすくできているのかはいつも心配でした。一度本気で心配になって、当時の担当編集さんに改まって「(漫画)読めますか?」と相談したこともあったのですが、ぽかーんとされて「読めますよ?」と一言。おそらく本家の漫画家さんから見たらツッコミがたくさん入るだろうなとは思っています(笑)。
その世界観が本当にあるかのような錯覚が起きたり、読み終わった後もずっと心に残っている漫画作品たちのすごさに、改めて感じ入ったりしています。全く止まらずスムーズに読める漫画って本当にすごいです…。あとページ数もすごい…! 私は5ページでヒーヒー言ってました(『りぼん』の連載は、基本的に毎月1話40ページ)。
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後編(特別セレクト5話分無料!):『「ネコとタコとイカとネズミ…ナニソレと思われるかもですが…」何でも屋の二足歩行ネコ『ニャーおっさん』作者のお願いごととは?』
文/りぼん編集部
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