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【速報・更新中】ISSにドッキング中のソユーズ宇宙船から冷却材とみられる物質が漏洩 船外活動中止

sorae.jp / 2022年12月15日 12時24分

【▲ 冷却材とみられる物質が漏洩したロシアの宇宙船「ソユーズMS-22」。NASAのライブ配信から(Credit: NASA TV)】

【▲ 冷却材とみられる物質が漏洩したロシアの宇宙船「ソユーズMS-22」。NASAのライブ配信から(Credit: NASA TV)】

アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキング中のロシアの宇宙船「ソユーズMS-22」から冷却材とみられる物質の漏洩が確認された模様です。ISSでは2022年12月15日11時20分(日本時間)からロシア区画で船外活動が行われる予定でしたが、中止されました。

NASAによると、ISSの状態は良好で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士をはじめ第68次長期滞在クルー7名も無事だということです。

ロスコスモスのセルゲイ・プロコピエフ(Sergey Prokopiev)宇宙飛行士とドミトリー・ペテリン(Dmitry Petelin)宇宙飛行士、NASAのフランク・ルビオ(Frank Rubio)宇宙飛行士の3名を乗せたソユーズMS-22は、2022年9月21日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、9月22日からISSにドッキングしています。

【▲ 2022年12月3日時点での国際宇宙ステーションの構成を示した図(Credit: NASA)】

【▲ 2022年12月3日時点での国際宇宙ステーションの構成を示した図(Credit: NASA)】

 

2022年12月15日16時18分追記 - NASAによると、冷却材はソユーズMS-22の後部にある機器/推進モジュール(エンジンや太陽電池アレイがある部分)から漏れているとみられており、ロシア区画のロボットアーム「欧州ロボットアーム(ERA)」のカメラを使った漏洩部分の調査が行われています。

NASAはISSに滞在している宇宙飛行士が漏洩中に危険にさらされることはなかったと改めて言及するとともに、引き続きロスコスモスと協力してソユーズ宇宙船への影響の評価と今後の行動方針を決定すると述べています。

【▲ ソユーズMS-22の冷却材漏洩を調査するために「ナウカ」モジュールから伸ばされた欧州ロボットアーム。NASAのライブ配信から(Credit: NASA TV)】

【▲ ソユーズMS-22の冷却材漏洩を調査するために「ナウカ」モジュールから伸ばされた欧州ロボットアーム。NASAのライブ配信から(Credit: NASA TV)】

 

2022年12月15日18時42分追記 - ロスコスモスは12月15日17時50分(日本時間)、ソユーズMS-22に関する情報をテレグラムに投稿しました。それによると、同船は機器/推進モジュールの外装が損傷したとみられており、宇宙飛行士の報告では、同船の診断システムが冷却システムの圧力低下を示したといいます。

前述の通り、12月15日にはロスコスモスのプロコピエフ飛行士とペテリン飛行士の2名による船外活動が予定されていましたが、目視で漏洩が確認された後に中止が決定されました。漏洩の原因を特定するために、ロスコスモスのアンナ・キキナ(Anna Kikina)宇宙飛行士が多目的実験モジュール「ナウカ」のロボットアームを操作して、ソユーズMS-22の外装の撮影を行いました。地上ではISSから送られた画像および動画の分析が進められています。

また、ISSと宇宙船の全システムは正常に動作しており、滞在中の宇宙飛行士も無事であるとロスコスモスは述べています。今後の対応については状況の分析後に決定されるということです。

 

2022年12月16日11時04分追記 - ロスコスモスは12月16日3時(日本時間)、ソユーズMS-22の冷却材漏洩に関するセルゲイ・クリカレフ氏(ロスコスモスの有人宇宙飛行プログラム担当エグゼクティブディレクター)の解説をテレグラムに投稿し、冷却材漏洩の原因として機器/推進モジュールのラジエーターに衝突した微小隕石の可能性に言及しました。

またNASAによると、漏洩が最初に検出されたのは12月15日9時45分頃(日本時間)でした。NASAとロスコスモスは漏洩箇所の画像取得と検査計画の調整を続けており、ISSのロボットアーム「カナダアーム2」を使ってソユーズMS-22の外装を追加検査する計画が進められているということです。

 

2022年12月17日14時36分追記 - NASAによると、ロスコスモスは冷却材がソユーズMS-22の機器/推進モジュール外装の冷却ループから漏洩したことを特定した模様です。データや映像を分析した結果、冷却材の大部分は12月16日3時30分(日本時間)までに漏出したとみられています。ロスコスモスは調査の一環として、12月16日17時8分(日本時間)にソユーズMS-22のスラスターのテストを行い、これに成功しました。

12月18日にはISSのロボットアーム「カナダアーム2」を使った損傷部分の調査が計画されています。ISSでは新型太陽電池アレイ「iROSA」を増設するための船外活動が12月19日に予定されていましたが、カナダアーム2がソユーズ宇宙船の調査に用いられることから、iROSAの設置作業は2日後の12月21日に変更されました。

NASAは係留中のソユーズMS-22船内の温度と湿度は許容範囲内だと述べており、ロスコスモスによれば12月16日に測定された船内温度は摂氏約30度で、温度変化はわずかだとしています(ロシアの宇宙開発に詳しいジャーナリストのAnatoly Zak氏によると、ソユーズMS宇宙船は熱制御システムによって船内の温度を摂氏18度~25度の範囲に保つ仕様で、1日3時間以内であれば摂氏10度まで下がるか、もしくは摂氏30度まで上がることが認められています)。

ロシア国営のタス通信は、ロシア科学アカデミー・ケルディッシュ応用数学研究所のViktor Voropaev氏の見解として、「ふたご座流星群」(2022年の極大予想日時は日本時間12月14日22時頃)に関連した微小隕石か、あるいは宇宙ゴミ(スペースデブリ)が損傷の原因になった可能性を伝えています。

ソユーズMS-22については新しい情報が入り次第お伝えします。

 

Source

Image Credit: NASA TV, NASA NASA - Space Station (NASA Blogs) International Space Station (Twitter) Roscosmos (Telegram) TASS - Science & Space

文/sorae編集部 - 最終更新:2022年12月17日14時36分

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