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元いじめられっ子「月給8万円」の美容師が、年商50億円の経営者になるまで

日刊SPA! / 2024年3月9日 15時51分

 その後、北原氏は美容師としてスキルを上げ、店長にまで昇進。ただ、そこで築き上げてきた地位を捨て、20代半ばにして長年勤めていたサロンを辞めることを決意する。

「一つの要因は、サロンの社長に『お前は何のために生きているんだ』と問いかけられたのがきっかけです。たしかに、いままで生きる意味みたいなものを考えたことがなかった。そこから、『自分は何になりたいのか』を突き詰めるため、ビジネス本や自己啓発をたくさん読むようになりました」

 人生でやるべきことは何か。自分はどんな人生を歩みたいのか。それを見つめ直したとき、このまま美容師として働き続けるのは無理が大きいと感じるように。

「美容師は給与がとにかく安い。実際、僕の初任給は8万円でした。その後、スタイリストになっても月給は13万円。店長で17万円。最終的にはサロンの社長に次ぐナンバー2の地位に上り詰めても、それでも26万円でした(笑)。こんな状態では、どれだけ頑張っても自分の未来がポジティブにイメージできなかったんですよね」

 しかし、ここからが北原氏の人生は大きく変化していくことになる。離職率が高い美容師業界に一石を投じるため、美容師たちの定着率を高めるビジネス方針を企画。そのアイデアを元に、27歳のときには美容室「Dears」のビジネス展開をスタートした。事業は急成長し、2015年の開始からわずか4年間で全国100店舗以上に広がり、グループ年商50億円を達成したとのこと。

◆成功の理由は「継続力」と「求められたことをやる」

 まさに怒涛の勢いで、たった数年で急成長を遂げた北原氏。月収8万円の美容師からグループ年商50億円を稼ぎ出す敏腕ビジネスマンへと転身できた理由を聞くと、北原氏は「その理由のひとつは、継続力」だと語る。

「僕は本当にめんどくさがり屋だし、不器用。人よりできることが少ないし、結果を出すのに時間がかかるんです。美容師時代にしても、普通の人が10回でできるカットを、僕は20回、30回練習しないと覚えられなかった。ただ、だからこそ継続力がついたんでしょうね。勘所のいい人は、何をやってもすぐに成果が出るので少し稼げると満足してしまう。僕の場合は、得意なものが少ないからこそ、分野を定めたらとことんそれをやり抜くので、結果的に多くの成果が出せるのかなと思います」

 そして、もう一つの成功の秘訣は「周囲から求められていることをやること」。

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