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年収1000万円・大企業50代ヒラ社員が2000万円もらって早期退職したら…月13万円のバイトになる現実――大人気記事トップ10

日刊SPA! / 2024年3月23日 15時44分

 しかし、これは林さんだけに起きた悲劇というわけではない。地道に働けば、高年収が約束されていたはずの大企業サラリーマン全般に起きていることなのだ。

◆高すぎる年収が会社にとっては重荷に

「特にターゲットにされているのは40代以降のヒラ社員です」

 そう指摘するのは中央大学大学院戦略研究科客員教授の海老原嗣生氏。不況に苦しむ会社にとって、人件費の削減は喫緊の課題だ。

「とはいえ、法律で守られている正社員の給料を減らすのは簡単ではなく、年功序列制度を崩すのも容易ではありません。大企業なら50代前半のヒラ社員で年収950万円前後はもらえるようになっていて、企業の重荷になっている。ここにリストラの狙いを定めるのは当然の結果です」

 さらに、企業は管理職の数も年々減らしている。’89年に、大手企業で管理職に就く50代前半社員の割合は約72%。だが、現在は同年代で40%弱まで減った。

「終身雇用が是とされていた時代には、会社は仕事がなくても管理職の役職をつくり、40~50代になれば昇進できるようになっていました。しかし、今の企業に働かない管理職を雇う余力はありません。実際のポストの数に見合った役職しかつくらなくなった結果、管理職に就く人の割合が減っていったのです」(海老原氏)

◆大企業に入社すると一生安泰……はもはや幻想

 また、多くの企業を見てきた海老原氏によれば、40代以上の早期退職組の4割は別企業で正社員として再雇用、ほかの4割は非正規雇用、残りの2割は再就職先が決まらないまま退職していくという。

「別企業で正社員になれても年収は430万円ほどにダウン。それも、40歳を過ぎてかつての下請けや取引先といった同業に斡旋されるわけです。

 肩身の狭い思いをしながらも、住宅ローンや子供の教育費のために我慢して働き続けるほかないのです」

 大企業に入社して50代で高年収になって一生安泰……そんな人生はもはや幻想にすぎない。

◆社員1000人超の大企業も高年収社員の人件費をカット

 あらゆる年代の中で、もっとも高級取りなのが50代。だが、大企業に勤めさえすればエスカレーター式に年収アップ……とはいかない世の中になっている。

 中でも、人口減少で国内の需要が落ち込む製造業界、少子化により顧客の奪い合いとなっている教育業界は、50~54歳の年収も700万円台から600万円台に転落している。

 厚生労働省が公開している賃金構造基本統計調査によると、’89~’18年の間に、従業員1000人超え企業の20~24歳男性の年収は約20‌%増加。対して、50~54歳男性の年収は約1.3%減。

 組織の新陳代謝を促すべく企業は若手を積極的に採用しており、不況のあおりをもろに受けているのは40代以降なのだ。

<50~54歳男性の給与、下がっている業種は?>

▼製造業 728.8万円→690.7万円
▼教育・学習支援業 743.4万円→616.2万円
▼不動産業・物品賃貸 697.7万円→690.8万円

【海老原 嗣生氏】
株式会社ニッチモ代表。キャリア形成に精通し、著書に「いっしょうけんめい『働かない』社会をつくる」(PHP新書)など多数。

<取材・文/週刊SPA!編集部 図版/ミューズグラフィック>
※初公開日2021年1月21日 記事は取材時の状況です

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