巨人 3A二塁打王獲りへ オドーア退団&筒香獲得ならずで外野補強急務 29歳エリエ・ヘルナンデス

公式戦に出場しないまま退団したオドーア

　巨人が新外国人として、前レンジャーズ傘下3Aのエリエ・ヘルナンデス外野手（29）の獲得に乗り出すことが9日、分かった。広い守備範囲を持ち、昨季は3Aで18本塁打を放ち、ともにリーグ最多の165安打、36二塁打の右の強打者。開幕前に新外国人のルーグネッド・オドーア外野手（30）が電撃退団。4年ぶりのリーグ優勝に向けて、固定できていない外野の強化を図る。

　ヘルナンデスはメジャーでは通算14試合で0本塁打と目立った実績はないが、昨季は3Aで137試合に出場した。26試合連続安打をマークするなど打率・298、18本塁打、99打点、9盗塁の好成績。いずれもリーグ最多の165安打、36二塁打をマークし、打点も同3位だった。

　外野はどこでも守れて、フェンス際の打球をジャンピングキャッチするなど身体能力を生かした好守も魅力。強肩にも定評がある。今季もレンジャーズ傘下3Aでプレーしていたが、3日に自由契約となっていた。

　巨人は昨オフにメジャー通算178本塁打のオドーアを獲得した。正右翼手の中軸候補として期待されたが、2軍調整を拒否して公式戦で1試合もプレーすることなく、開幕直前に電撃退団した。その後に米球界から国内復帰を決断した筒香の獲得にも動いたが、筒香は古巣DeNAに5年ぶりに復帰し、獲得には至らず。外野手の補強は急務だった。

　今季の外野はレギュラーを固定しきれていない。ベテランの丸が左翼を中心に最多の29試合に先発。ドラフト3位・佐々木や萩尾らがレギュラーを狙ってアピールをしている現状だ。オコエは2日、梶谷は7日に2軍再調整となった。

　貯金2で首位・阪神と0・5ゲーム差の2位につけるが、得点力不足が深刻だ。リーグワーストタイの12本塁打で、1試合平均得点はリーグワーストの2・5点。チーム防御率2・32はリーグ2位で、阿部監督は試合後に「投手は責められない」と投手陣の踏ん張りを称えると同時に、貧打に唇をかむことが続いた。広い守備範囲と強打を誇るヘルナンデスの獲得に成功すれば、低迷する打線の起爆剤として期待される。

　◇エリエ・ヘルナンデス　1994年11月21日生まれ、ドミニカ共和国出身の29歳。11年にロイヤルズと契約し、レンジャーズ移籍後の22年7月14日マリナーズ戦でメジャーデビュー。通算14試合に出場し打率・182、0本塁打、3打点。マイナーでは通算1138試合に出場し打率・266、87本塁打、575打点、78盗塁。1メートル85、89キロ。右投げ右打ち。