コジロー氏「いも虫ランド」祝14000回 スポニチで連載中の4コマ漫画 日本で2番目に長寿
スポニチアネックス / 2024年5月10日 5時1分
漫画家コジロー氏(70)が、本紙で野球などを題材に毎日連載中の4コマ漫画「いも虫ランド」が、10日付の掲載で1万4000回を迎えた。1984年(昭59)10月11日付から始まり、今年で40年。昭和、平成、令和と3時代にまたがり、数々のスター選手を描き続けてきた道のりを振り返ってもらった。(佐藤 昂気)
ピー、ガシャン――紙面製作でバタつく編集局のファクスがコジロー氏の漫画が描かれた白い紙を吐き出す。
「30年ほど前から今の形になりました。それまでバイク便で送ってたんですけどね」
メールの普及など通信環境が進化しても、やり方は変えない。漫画制作もタブレットやペイントソフトは使わずアナログを貫く。
「手描きのぬくもりがある。枠線から自分で描く間に気持ちがニュートラルになり、アイデアが湧いてくる」
平成の後半、連載1万回を超えた2013年に現れたのが日本ハム1年目、二刀流の大谷翔平。今や大リーグ・ドジャースで活躍する世界的スターだ。
「大谷はヒーローみたい。この稼業やってきて、あんな選手が出てくるとは思ってもいなかった。本当にいるのかな。漫画じゃないの?(笑い)」
漫画のような選手は漫画にしにくい。
「非の打ちどころのない選手は描きにくいものです」
本音をこぼしつつも表情は楽しそう。そこは腕の見せどころだ。チームメートやライバル、ファンを絡めて4コマに落とし込む。
「本人をちゃかせなくても、周辺で遊べる」
連載中の一般紙・スポーツ紙の4コマ漫画では読売新聞朝刊「コボちゃん」(9日時点で1万4676回)に次ぐ2番目の長寿。既に連載を終えた朝日小学生新聞「ジャンケンポン」のギネス記録1万6362回まで、あと約2000回。
「追いつこうとか追い越そうとか思ってませんよ。目標は特にありません」
記録にこだわりはない。
「常に良いものを出したい。体力・気力的にどこまで行けるかなぁ。まあ、行けるところまで行きますよ」
一日一日、一話一話、一コマ一コマを無欲に積み重ねていく。
◇コジロー 本名・北代浩二郎。1953年(昭28)10月5日生まれ、高知県出身の70歳。東京デザインアカデミー卒。デザイン会社を経て80年デビュー。代表作はサンデー毎日で33年続いた「OL世紀末劇場(後に改題)」や「パ・セ・リジャーナル」「ゲタばきかあちゃん」など4コマ多数。90年「ぶったまゲリラ」などで第36回文芸春秋漫画賞受賞。
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