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これからの「安心安全」な教育行政の話をしよう 熊本から世界の教育に資するためにできること

東洋経済オンライン / 2023年12月12日 11時0分

どういう社会を作るかを議論し、行動していくには、他の人と協働して何かを作るスキルを身につけなくてはいけないでしょう。ただ、これからの社会性や協働性、集団行動は、これまでとは少し違ったものとして考える必要があります。

これまで、同調圧力というか、人と違うことを選ぶのが非常に難しいという空気を学校が作ってきていた面があります。これからは、人と違うことを選ぶ勇気と、それを許す雰囲気をどう確保していくかも大事です。

大人の社会でも、失敗した人をみんなでとことん叩くという風潮がありますよね。これだと萎縮してしまう。特に子どもたちが、一回の失敗で大きく叩かれるという経験をすると一生のトラウマになりかねない。

それを避けながら、いかに失敗が許される環境を作るかというのは、大人の責任でしょう。バカなことができない窮屈さが強すぎると、社会的開拓者のような精神が育ちにくくなることもあると思います。

宮田 日本では起業が少ないと言われていますが、いままでは、リスクをとって失敗すること、挑戦することの価値がとても低かった。もちろん成功確率も低いですし。

しかし、少しずつ状況は変わっていて、たとえば、私の知り合いの大学生で、起業で成功して事業を売却して、もうお金には困らないはずなのに、新卒で会社に就職するという人もいます。

企業も優秀な人材が欲しいですから、チャレンジしてここまで成長できました、という主体的な人を受け入れたい会社はたくさんあると思います。

こうした実例が増えてくると、挑戦のリスクだけが過大評価される状況も改善されるかなと思います。

成功のロールモデルは世界から学べる

遠藤 以前であれば、村から出ることなく暮らし、仕事も生まれたときから決まっていたという窮屈さがありました。それと比べれば、できることが増えているのは間違いない。その窮屈さと、例えばネットで叩かれる窮屈さとどっちが大変か。

それぞれの時代にそれぞれの苦労があるので、いまの時代に合った経験を積んでいくことを考えていくべきでしょう。

宮田 リスクをとって成功した事例がもっと注目されるようになれば、リスクの算定も適切なものになって、いままでの考え方も変わるのかなと思います。

遠藤 成功事例も含め、多様な情報を簡単に得られるようになったことは間違いない。ロールモデルを日本に限る必要もないですよね。

私が文部省に入った頃はまだ、他国の学校ではどんな授業をやっているのかと調べようと思うと、図書館に行って本を探すくらいしか選択肢がなかったのですが、いまはどこでも学校のHPを見ればすぐたくさんのことがわかる。

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