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74歳「伝説の理科教育者」の意外と劣等生だった頃 35年で300冊超に関わった、左巻健男の立志編

東洋経済オンライン / 2023年12月17日 14時0分

理科の教育者として勤める傍ら、たくさんの本を執筆してきた左巻健男さん。理科教師への道へ進み、そして理科の本、反ニセ科学の本を書くようになった人生のみちのりを伺った(筆者撮影)

これまでにないジャンルに根を張って、長年自営で生活している人や組織を経営している人がいる。「会社員ではない」彼ら彼女らはどのように生計を立てているのか。自分で敷いたレールの上にあるマネタイズ方法が知りたい。特殊分野で自営を続けるライター・村田らむが神髄を紡ぐ連載の第113回。

理科を楽しく学べる本から、反ニセ科学の本まで

左巻健男さん(74)は長年にわたり理科の教育者として勤めてきた。中学校、高校、大学で勤める傍ら、教育者時代からたくさんの本を執筆されている。本人も何冊関わったかははっきりと分からなくなってしまっているそうだが、国会図書館で調べたところ少なくとも300冊は超えている。

【写真】劣等生だった彼が、伝説の理科教育者になるまで

もちろん、ほとんどが理科(物理、化学、生物、地学)に関わる本だ。

『絶対に面白い化学入門 世界史は化学でできている(ダイヤモンド社)』

『1日1ページで小学生から頭がよくなる! 宇宙のふしぎ366 (きずな出版)』

『化学で世界はすべて読み解ける 身近な疑問からはじめる化学入門 (SB新書)』

など、老若男女問わず理科を楽しく学べる本が多い。

また、次のようなニセ科学を取り扱った本も上梓されている。

『陰謀論とニセ科学 - あなたもだまされている - (ワニブックスPLUS新書) 』

『学校に入り込むニセ科学 (平凡社新書)』

『暮らしのなかのニセ科学 (平凡社新書)』

私事だが、知り合いでニセ科学にハマってしまっている人がいた。インターネットを見ているうちにいつの間にか、陥ってしまったようだった。口で説明してもなかなか納得しないので左巻さんの『陰謀論とニセ科学 - あなたもだまされている - 』を渡した。するとその人から電話があり、

「呪いが解けた!! (ニセ科学から)抜け出すことができた」

と言われた。

インターネット時代になって、簡単に多くの物事を検索できるようになったが、間違った情報もネットにはたくさん転がっている。リテラシーが弱い人は、いつの間にかニセ科学にハマってしまいがちだ。医療関係のニセ科学も蔓延しており、命に関わることもある。個人的に、

「こんな時代こそ、左巻さんの本は必須だな」

と思ったできごとだった。

話が横道にそれたが、今回は左巻さんに、理科教師への道へ進み、そして理科の本、反ニセ科学の本を書くようになった人生のみちのりを伺った。

初めて先生に褒められた「左巻君、理科できるね」

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