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銀座の旗艦店にみる「グランドセイコー」の現在地 スイスブランドの高級時計店と同じ区画に出店

東洋経済オンライン / 2023年12月19日 7時20分

銀座の並木通りにあるグランドセイコーのフラッグシップブティック(撮影:梅谷秀司)

銀座のシンボルといえば、街に正時を告げる「セイコーハウス銀座」の時計塔。服部時計店(現:セイコーグループ)が初代時計塔を建設したのは1894年のこと。現在の時計塔は1932年に建てられたもので、中には高級専門店の和光本店が入る。

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日本人にとってはなじみ深い時計のセイコーが、創業の地・銀座で新たな動きを見せている。

高級ブランド店が居並ぶ銀座の並木通り。中でも多いのが、スイスブランドの高級時計の路面店だ。俗に「雲上」と呼ばれる超高級ブランド時計を扱う店もある。

その並木通りに今年6月、セイコーの最高級機械式腕時計「グランドセイコー」のフラッグシップ(旗艦)ブティックが出店した。場所はロレックスやIWC、パネライなどのブティックと同じ区画にある。

大谷翔平選手も着用したモデル

入店すると、正面のショーケースには、75万~150万円ほどの価格帯の人気モデルが並ぶ。有名なのは、穂高連峰の風に吹かれた雪面を表現したダイヤル(文字盤)のモデルと、白樺林を表現したダイヤルのモデルだ。

メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が2021年にアメリカン・リーグのMVPに選出された際、セイコーが大谷選手にお祝いとしてプレゼントしたのが後者のモデル。大谷選手がラーズ・ヌートバー選手に贈った時計としても話題になった。

グランドセイコーブティックは、並木通りのほかに中央通りと和光本店内にもあり、銀座だけで3つもある。中央通りの店舗は2019年に、和光本店内の店舗は2020年にオープンした。

銀座のど真ん中、約300メートル圏内に3店舗を配置しているが、それぞれ役割は異なっている。

人通りが多い中央通りの店舗は、ブランドロゴが多くの人の目に触れることによる宣伝効果が見込める。観光バスの発着地点に近いこともあり、訪日客の来店が多い。

和光本店内の店舗は、重厚感ある空間で高級専門店ならではの接客を提供している。来店頻度の高い和光の顧客にグランドセイコーを勧めることもできる。

並木通りの店舗は、複数の高級時計店を巡る一環で訪れることができ、時計好きやマニアの取り込みに適している。世界的に増えている若い富裕層を意識し、日本的な要素を取り入れながらも明るく現代的な空間になっている。

「並木通りはそれぞれのブランドがキャラクターを表現する場所。満を持してオープンしたこの場所で、グランドセイコーをアピールしていきたい」

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