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12月にもある「クマ襲来」私たち日本人が戦う方法 そこには狩猟期間と報酬の問題もあった

東洋経済オンライン / 2023年12月23日 7時40分

クマの被害が相次いで起きており、その範囲も拡大しつつある(写真:EFA36/PIXTA)

以前、北海道・知床への運転中にヒグマの親子を見かけた。思わず車を停めて写真を撮ろうとしたが、助手席に乗っていた相方にこっぴどく叱られた。専門家に聞くと、鍵をかけていてもドアノブなどに爪がたまたまでも引っかかれば壊れて開いてしまうという。

【画像】忍者ヒグマとも呼ばれ恐れられたOSO18が運ばれるところ

熊の走るスピードは時速約60キロメートルと言われる。オリンピック100m金メダルリストよりも早く走る(ウサイン・ボルトのトップスピードが時速45㎞)ので、走って逃げるというのは到底不可能だ。

昨年は、大みそかに熊の目撃情報も

最近ようやく寒くなって来たが、12月初旬まで暖かい日が続いていたように、最近は昔ほど寒くない。熊は12月に冬眠に入るケースが多いが、昨年の大みそか12月31日に、札幌市中央区の住宅街で熊がうろついていたのも目撃されている。

最近は穴の中で冬眠せずに、お尻の大きさ程度に穴を掘り、そこで寝ている熊もいるという。

暖冬だけでなくブナやどんぐりの実などの不作による餌不足、耕作放棄地の拡大で緩衝地帯であった畑が熊の住処になりつつある。大概、強い熊はそのまま山にいて、餌の競争に負けた熊が餌を求めて別のエリアや市街地まで侵入することになる。

特にこうして餌を求めて母熊が人里近くへ子熊を連れて来る事で餌の取り方を教えている面もある。次世代からはその場所が彼らの棲息エリアになる。冬眠する場所も人間の近くになり、人間を怖がらなくなる。

どんどん状況は変わっていく。”日本の田舎"を標榜し、人口5000人ほどの福島県西会津町では今年は90頭も捕獲されたいう。とてもではないが、追いつかない。

熊の被害は、都市部に住む人にも他人事ではない。今年は東京都町田市のキャンプ場にも熊が出没。昭和初期に熊が絶滅したと言われてきた観光地・南伊豆においても目撃情報が出た。

“忍者ヒグマ”OSO18に東京のレストランで遭遇

この夏には、本来草食のはずのヒグマが乳牛66頭を襲った事件も話題になった。OSO18と名付けられたその獰猛な熊は、推定体重330キロ、体長2m10cmと巨大。約14歳と、人間に例えると70歳くらいと高齢だが、過去ほとんど撮影されたことがなく、“忍者ヒグマ”とも呼ばれていたという。

その機敏で老獪な熊肉を、筆者は中里シェフ率いる御茶ノ水にあるジビエ専門店「グルマンズ」で10月に偶然、食する機会を得た。力強い甘みある脂を感じた。肉自体がエネルギーを強く持ち、一緒に食した友人は明け方5時まで眠れなかったという。

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