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血圧高め放置で「心筋梗塞リスクは約8倍」の怖さ 降圧薬の種類や使い方、やめ時を専門医に取材

東洋経済オンライン / 2024年1月5日 10時0分

20歳以上の日本人の2人に1人は高血圧といわれています。放置した場合のリスクや、知っておきたい降圧薬の知識を解説します(写真:nonpii/PIXTA)

20歳以上の日本人の2人に1人は高血圧といわれているが、4割以上が治療を受けていない(日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』)。自覚症状がないため放置しやすく、血圧を下げる薬を飲み続けることに抵抗がある人も少なくない。

治療前の人だけでなく、治療中の人も知っておきたい、放置した場合のリスクや薬の知識について、東京都健康長寿医療センターの鳥羽梓弓医師に聞いた。

高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれる。なぜなら自覚症状がないまま血管に負担がかかり続け、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気を発症することがあるからだ。

【図でわかる】血圧が高い人の脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などのリスクはこれだけ高い

高い人の心筋梗塞リスクは約8倍

正常血圧(上120mmHg/下80mmHg未満)を基準にすると、上が140~159mmHg、下が90~99mmHgの人は、脳心血管病(脳梗塞や脳出血、心筋梗塞など)を起こすリスクが約3倍、上が180mmHg以上、下が110mmHg以上の人は約8倍となる。

鳥羽医師はこう警告する。

「脳卒中や心筋梗塞を起こすと、たとえ命は助かったとしても後遺症が残ったり、寝たきりになったりするケースもあります。また、高血圧によって腎機能が低下すると、生涯にわたって透析が必要になることもあります」

こうしたことを防ぎ、長く健康でいるためにも血圧をコントロールすることが大事だ。

「自覚症状がないと危機感を持ちにくいかもしれませんが、血圧が高い状態が続いているというのは、つねに全身の血管や心臓に負担がかかっている状態だと考えてください」と鳥羽医師は付け加える。

ここで改めて、どのような状態が高血圧なのか見ていきたい。日本高血圧学会による高血圧の診断基準は下記のとおりだ。

病院で血圧が上がる「白衣効果」

医療機関と自宅で測定した場合では、基準値に差があることからわかるように、医療機関で測定すると緊張から血圧が上がる人がいる。これを「白衣効果」という。

鳥羽医師によると、医療機関でだけ高血圧になる人は、通常は薬による治療は必要ないという。ただ、将来的に血圧が高くなる可能性が高いので、自宅に血圧計がある人は、自宅でも定期的に血圧を測定するのが理想だ。

高血圧と診断されて受診しても、すぐに薬による治療を開始するわけではない。

高血圧と診断されたすべての人に不可欠なのが、減塩を中心とした食事療法、習慣的な有酸素運動を主とした運動療法、禁煙、減量など生活習慣の改善だ。こうした生活習慣の改善だけで、血圧が下がれば、薬による治療は必要ない。

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