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内陸県に海を思わせる「八潮市」地名のナゾを追う 住民が守った日本唯一の地名"垳"は何と読む?

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 11時50分

2005年に開業したつくばエクスプレスの八潮駅。八潮市の新たな玄関口となっている(写真:筆者撮影)

海がない「内陸県」の1つ、埼玉県。県下63ある自治体の中に、海を思わせる字を持つ自治体がある。それが「八潮市」だ。

【写真で見る】住民らの要望により「垳」という漢字は地名に残された

埼玉県南東部と比較的海に近い位置にはあるものの、海岸線までは15km以上離れている。また、地図で見ても、市内に大きな湖沼があるわけでもない。

では八潮市はなぜ海を思わせる「潮」という字を使っているのだろうか。まちの様子と共に探っていきたい。

東京都心から20分の位置にある八潮駅

八潮市は東京都心から「つくばエクスプレス」でアクセスすることができる。起点の秋葉原駅から昼間だと「区間快速」か「普通」で八潮市唯一の駅、八潮駅まで約20分。今年3月のダイヤ改正では今まで通過していた「快速」も停車するようになる。

つくばエクスプレスというと、終点のつくば市のある茨城県や、子育て世代に注目される流山市がある千葉県を通るイメージが強いが、八潮市と隣の三郷市の間は埼玉県内も通っている。

八潮駅で下車すると、何台もバスが停車できる駅前広場が駅の北側と南側双方に整備されている。路線図を見ると、主に市内各地を経由して隣接する自治体へ向かう系統が集まっており、公共交通のハブ機能を八潮駅が担っていることがうかがえた。

駅周辺は「大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法」(通称:宅鉄法)に基づいて、つくばエクスプレスと一体的に区画整理が行われている。

歩いてまわると大型マンションや大型商業施設の立地や公園、新しい住宅が目立つ。

また、つくばエクスプレス開業から20年近く経つが、ゆっくりと宅地開発をすすめているようで、駅から少し離れた区画整理エリアでは、これから分譲を行うための準備をしている土地もあった。

1970年代の宅地化と工業化で発展した八潮のまち

八潮駅周辺の様子だけを見ると、八潮市は近年人口が増えた自治体のように見える。確かに、つくばエクスプレス開業から人口は1万7000人以上増加しているので一面では正解と言える。

一方で、つくばエクスプレス開業前の2000年には7万人以上が住んでおり、すでに発展はしていた。では、つくばエクスプレス開業前から八潮市に住んでいる人々はどのようなエリアにいるのだろうか。

八潮市の市制施行は1972年のこと。翌1973年には人口が5万人を突破している。この頃が八潮市の人口が最も伸びた時期で、5年で人口が2万人以上増えた。そして、その時期に八潮市にやってきた人々は市域の外縁部に住んでいる。

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