ホンダ新型「アコード」万人に受けるセダンだった 乗ってわかったシーンを問わない万能さに驚く
東洋経済オンライン / 2024年3月27日 13時0分
なお、前方交差車両警報は、一般道の交差点などで停車状態から発進する際などに、左右前方から接近する交差車両の情報を通知する機能。また、車線変更時衝突抑制機能は、車線変更をする際、後方から接近する隣車線の車両との衝突回避を支援する機能だ。さらに車線変更支援機能は、高速道路などで渋滞追従機能付きACCと車線維持支援システム「LKAS」の作動中に、一定の条件を満たした状態でドライバーがウインカー操作をすると、システムが車線変更に伴うハンドル操作を支援する機能となっている。
新型アコードの進化したACCでは、まず、設定速度で巡航している最中、遅い前車へ追いついたときに効果を実感できた。従来のACCよりも、減速がゆるやかとなり、安心感が高まったのだ。これは、前を走る遅い車両をより遠方にいる時点で発見できるようになったことで、早期の減速開始が可能となったためだ。従来のACCでは、前車との車間距離を取るための減速が急にはじまるように感じるケースもあり、「ちゃんと止まれるのか?」といった不安を覚えるケースもあった。
一方、新型は、今回の試乗ではそういった不安は一切感じず、よりドライバーの感覚にマッチするようになったといえる。ほかにも、新型のACCでは、コーナーを旋回する際に自動で速度を落とす機能もあり、旋回中の安定性も向上。これらにより、ACC作動時も、より安定し、安心・快適な走行を実現しているといえる。
車線変更支援機能は慣れも必要
なお、今回の試乗では、先述した車線変更支援機能も試してみた。機能の操作は、ホンダセンシング360やACC、LKASを作動させ、ウインカーを移動したい車線側へ約1秒間ハーフストロークで保持するだけ。すると、システムが移りたい車線の後方から他車両が近づいてきていないことを確認後に、ハンドル操作を支援する。
使い方はとても簡単そうだ。ところが、実際に数回ほど試してみたが、いずれもシステムが途中で解除されてしまった。何回かは、システム作動中に移りたい車線へ後方から車両が近づいてきたためだった。だが、不思議だったのが、後方に接近車両がいないケースでも、同じくシステム解除されたのだ。
なぜだろう? 試乗後に、ホンダの開発者へ確認したところ、「おそらくステアリングを強く握りすぎたのか、無意識に自分でハンドルを切ろうとしたためではないだろうか」とのこと。この機能は、「ドライバーの操作を優先する」設定となっているため、システムの動きを筆者が邪魔してしまった可能性があるようだ。たしかに、システム起動時に多少ステアリングが自動で動いた感覚はあったのだが、それに対し、無意識に自分で補正をしてしまったのだろう。ホンダの開発者によれば、この機能は「車線変更が苦手なドライバー向け」とのこと。筆者のように、車線変更を苦に感じないドライバーにとっては、ちょっとわかりづらいし、あまり使わなくてもいい機能なのかもしれない。
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