京王井の頭線、四季の花咲く沿線と「7色の電車」 桜咲く春や梅雨のアジサイ、稲穂実る秋の田園
東洋経済オンライン / 2024年3月30日 6時30分
北陸鉄道と同時期に譲渡されたのが岳南電車(静岡県)だ。7000形と8000形の2種あるが、特徴的なのは前者で、中間車両のデハ3100形を両運転台に改造して1両で運行している。5両で都心に乗り入れていた電車が1両で富士山のふもとを走るさまは風情がある。
次いで1998年には、赤城山麓を走るローカル私鉄、上毛電鉄(群馬県)にも譲渡された。井の頭線の3000系は1990年代にリニューアルで前面形状が変わったが、上毛電鉄の車両は2両編成ではあるものの前面などはほぼ井の頭線登場時の原形を保っており、色こそ井の頭線とは違うが8本ある編成がすべて色違いのレインボーカラーで活躍してきた。しかし、ここにも東京メトロ03系が入線し、世代交代の波が訪れている。
7色の電車と四季折々の風景
大胆に色を変えたのは、アルピコ交通(長野県)の3000形だ。ステンレス車だが銀色ではなく白いボディに斜めのストライプを入れたデザインで、ほかにもラッピングを施した車両が走っていた。だが、こちらも2022年から代替車両導入で世代交代が始まり、動向が注目されている。
最も新しい譲渡例は四国の私鉄、伊予鉄道(愛媛県)だ。2009年以降、井の頭線時代にリニューアルした10編成が譲渡され、瀬戸内海を見て活躍中。地方譲渡車では珍しい3両編成で、制御装置もインバーター制御に改造されている。塗装は当初、前面上部がクリーム色でステンレスの銀色を生かしていたが、現在は「伊予鉄カラー」のオレンジ1色になった。
退役車両の地方での活躍も含めて井の頭線について紹介してきたが、都市部の短距離路線でありながら井の頭線は季節ごとに異なる風景が楽しめる路線だ。写真で四季折々の景色を走る7色の電車をご覧いただければ幸いである。
南 正時:鉄道写真家
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