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紅麹問題で注目される「腎臓」が持つ重要な働き 腎臓専門医が指摘する「カビ毒」の危険性とは

東洋経済オンライン / 2024年3月30日 9時30分

●尿素窒素……たんぱく質が分解された後にできるゴミ
●クレアチニン……筋肉が運動するためのエネルギー源の燃えカス
●尿酸……遺伝子の構成成分であるプリン体が、肝臓で分解されてできるゴミ

血液に乗って運ばれてきたゴミは、腎臓の糸球体という組織でふるいにかけられて、不要なものは尿として排泄されます。つまり、尿は血液からできているわけです。

腎臓の働きが低下してふるいがザルになると、血液中にゴミが残るだけでなく、必要なものまで尿に混ざってどんどん出ていきます。

体のゴミの排泄というと、便を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、便に含まれるのは食べ物の残りカスや腸内細菌の死骸など、ほとんどが腸のゴミです。

一方、尿については、血液に乗って運ばれてくる、全身のゴミを排泄しているのです。便秘が数日続いても不快な程度ですが、尿が出なくなることは生命の危機につながる深刻な事態です。

腎機能が低下すると体中がゴミだらけになる

この状態が続いたら、体にはゴミがたまっていきます。

いわば、あなたの体が「ゴミ焼却施設のない町」「下水処理場のない町」のような状態になってしまいます。

想像してください。もしもあなたの住む町で、下水処理場やゴミ焼却施設といったライフラインがストップしたら、いったい何が起こるでしょうか。

キッチンで皿を洗った水も、浴室でシャンプーした後の水も、トイレで使った水も、排水口でたまったまま、流れていきません。

そして下水管が詰まってしまったら、何かの拍子で下水が逆流して、家じゅうの排水口から一気に吹き出します。

こうして家の床は、臭く濁った生活排水で水浸しになります。

また、ゴミ焼却施設の操業が止まると、ゴミを載せた収集車は行き場をなくします。ゴミ捨て場のゴミも徐々に増えていき、道路にまであふれてきます。カラスや猫がゴミ袋を漁あさり、生ゴミがまき散らされて異臭を放ちます。

その結果、町はどんどん汚れ、不潔になります。

ライフラインについては「あって当たり前」なので、普段はほとんど意識が向けられていません。しかし、町の衛生を保って、住民が健康に暮らすために必要不可欠な存在なのです。

そして人間の体が町だとしたら、住民が全身の細胞で、ライフラインの役目を果たしているのは腎臓です。

もしも体から腎臓がなくなれば、細胞の活動で出てきたゴミ(老廃物)は排泄されません。そのために、体の中はゴミだらけになってしまうのです。

毒素が尿細管を傷つけると深刻な事態に

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