日本で蔓延する「結婚=不幸」という風潮の大問題 漫画にも一因?東村アキコ×植草美幸対談
東洋経済オンライン / 2024年3月31日 11時20分
植草:会員さんにも再婚、再々婚の方が少なからずいます。聞いてみると意外とドロドロの離婚をしてるんですよ。それでもまた「結婚したい」とご相談にいらっしゃいます。
東村:メディアでは不倫など結婚の悪い例ばかりクローズアップされるけど、世の中、うまくいってる夫婦だっていっぱいいますよね。私は宮崎出身ですが、地元の同級生には20代で結婚して、そのまま時が止まったみたいに今も2人のムードが変わらない幸せなカップルがたくさんいます。
植草:「結婚すると大変」と愚痴を言う人がいるから、結婚は不幸なものと思われがちなんです。そのうえ、アラフォーになると「今さら誰かと共同生活をするのは無理。我慢するのは嫌だ」と考える人も多い。でも、結婚は我慢じゃないですよ。結婚は今よりも楽になるためにするもの。
植草:「楽」というのは、2人の収入を合わせて経済的に楽になるかもしれないし、2人で家事を分担して楽になるかもしれない。悲しいことは半分になり、嬉しいことは2倍に、子どもが生まれればさらに何倍にもなる。そういう意味で、結婚は今よりも楽に、幸せになるためにすることなんです。
東村:私もそう思います。好きな人が家にいて、子どもやペットがいて、イチゴジャムを煮たりする。幸せ感じんのってそういう時だと思うんですよ。こう言う考え方を押し付けるのはよくないですが、あのいちごジャムを煮る香りって、幸せの象徴な気がします。
「寂しい」と素直に言える社会になってほしい
植草:人によっては結婚相手の親族とのコミュニケーションが面倒くさいからと、相手に求める条件として「親がすでに亡くなっている人」を挙げる人もいます。自分の言うことを何でも聞いてくれる実母は好きだけど、相手の親は面倒だから避ける。面倒くさがりが増えていますよね。生きていくうえで面倒なことも乗り越えていこうという情熱が感じられない。
東村:私は独身だけど息子がいて、アシスタントも4、5人、いつもそばにいて、いつもにぎやかにワイワイした中で生きています。そういうことが苦手な人もいるとは思うけど、一生ずっと1人で生きていける人は少ない。「寂しい」と素直に言える社会になってほしい。そうしたら、「この子は結婚願望があるんだな」と思った上司がいい相手を紹介してくれるかもしれない。
植草:昔は「キミもそろそろ結婚しないとね。~課の~君を紹介するよ」という親切な上司がいましたね。今はパワハラ、セクハラと言われちゃう。
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