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新幹線だけではない「鉄道・運輸機構」の仕事とは? 「JRとは違う」藤田理事長に直撃インタビュー

東洋経済オンライン / 2024年4月1日 6時30分

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)の藤田耕三理事長(撮影:尾形文繁)

鉄道・運輸機構という組織をご存じだろうか。正式名称は鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)。日本鉄道建設公団と運輸施設整備事業団の業務を承継して2003年に設立された独立行政法人で、整備新幹線の線路や駅などを建設してJRに貸し付けるなど交通インフラの整備において欠かせない役割を果たす。だが、その存在が世の中に広く認知されているとは言い難い。JRTTはどのような業務を行っているのか、主に鉄道分野での取り組みについて藤田耕三理事長に話を聞いた。

JRとはまったく違う組織

――先日、建設中の北海道新幹線・豊野トンネルの工事の様子を取材した際、JRTTのスタッフが見学者たちに「新幹線が通るトンネルや橋、線路、駅は私たちJRTTが造っています。JRではありません」と説明していたのが印象に残っています。JRTTはどのような業務を行っているのですか。

【写真を見る】 「JRとは違う」新幹線だけではない鉄道・運輸機構の仕事とは?相鉄・東急直通線、つくばエクスプレスも鉄道・運輸機構が建設した

私たちの略称がJRTTなので、JRグループの一員と思っている人もいるかもしれません。でもまったく違う組織です。私たちの業務は鉄道の建設、船舶の共有建造、地域の鉄道へのサポート、鉄道の海外展開への協力など多岐にわたります。JR北海道、JR四国、JR貨物の100%株主という立場でもあります。

鉄道では整備新幹線の整備が業務の中心です。北陸新幹線の金沢―敦賀間が先日開業しましたが、北海道新幹線の新函館北斗―札幌間の工事にも取り組んでいます。そのほかにはJR東海のリニア中央新幹線の工事も受託しています。新幹線以外では2023年3月に開業した相鉄・東急直通線の建設を行いました。

――たとえば北陸新幹線なら金沢から敦賀まで延伸するというおおまかなルートは国が決めますが、詳細なルートは誰が決めるのですか。

事業化が決まれば、そこからが私たちの仕事です。調査や環境アセスメントを行って、ルートや駅の位置を決めます。具体的なルートは自然条件、地質、地形などを勘案します。人家、集落はなるべく避けるといった社会的な条件も考慮します。

――土地の買収交渉も行う?

もちろん。用地買収だけでなく、関係者と協議を重ね、地元の方々に理解していただくことも含めて私たちの仕事です。

――トンネル工事にはシールド工法やNATMなどいろいろな種類がありますが、どの工法を採用するかも決めるのですか。

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