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東京都・宮坂副知事が見た「自治体DX」理想と現実 都の外郭団体で未曾有のシステム大移動を支援

東洋経済オンライン / 2024年4月3日 7時50分

――国は、システム標準化を進める意義として、特定ベンダーに自治体が依存する「ベンダーロックイン」からの脱却も強調してきました。

「ベンダーロックイン」は定義が難しくて、あまり好きではない言葉だ。システムを違うものに切り替えるのに異常にお金がかかったりするのはともかく、小さな自治体が特定の1社にお願いするのは、ある意味で合理的な判断だ。

情シスがいっぱいいれば、10社くらいのベンダーをまとめて管理・監督できると思うが、1人しかいなかったら、僕が担当でも1社に「あとはお願い」ってなると思う。それは1つの知恵でもあり、何のロックインがいけないのかという点はもう少し議論したほうがいいのではないか。

――標準化した自治体のシステムを稼働させる政府の「ガバメントクラウド」の提供事業者として、昨年に国内企業として初めてさくらインターネットが条件付きで採択されました。ただ、AWS(アマゾン ウェブ サービス)などの強力な外資勢がひしめく中、自治体が国産クラウドの導入を進めるか疑問視する声もあります。

国産には頑張ってほしいし、大事にしたほうがいい。さくらは僕もよく知る会社で、すごくリスペクトしている。

たしかにアメリカの会社は、設備投資額が全然違う。日本は100億円投資したらニュースになるが、向こうは兆円単位でやる。ボクシングで例えたら階級が違う感じなので、同じ速度で同じ成長を求めて勝負するのは少し過酷だ。

それでもさくらのように、ハードウェアに近い領域で仕事をするエンジニアがいなくなると、技術の深い部分がわらなくなって、日本は「デジタル小作人」になりかねない。「海外でいい」と言った瞬間に、その技術は日本からなくなる可能性が高いし、10年後にもう1回やりたいと思ってもできない。「根っこ」を自分たちで作れる技術者を国は重視すべきだろう。

茶山 瞭:東洋経済 記者

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