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お布施の増額は拒否可能?お寺の疑問に答えます 保存版!寺院との上手な接し方Q&A【前編】

東洋経済オンライン / 2024年4月8日 8時0分

経営が苦しい寺院は少なくない(イメージ写真:PIXTA)

急増する墓じまいから樹木葬、海洋散骨に至るまで、葬送をめぐる価値観の急速な変化とその実情を探った。『週刊東洋経済』4月13日号の第1特集は「無縁時代の『お墓』新常識」だ。

Q これまで葬儀のお布施は、30万円が基準となっていました。ところが菩提(ぼだい)寺檀家(だんか)総代会よりお願いの文書が届き、寺の財政が厳しくなっており、これからは葬儀お布施の基準額を60万円に増額するよう求めてきました。どうすればよいでしょうか。(60代男性)

【写真】お布施はいくら包むべき?

A 今回のお寺の総代会の文書は、あくまで「お願い」であって「決定事項の通知」ではありません。

また、葬儀によるお布施の基準額を60万円に増額するのは、考える際の基準額を増額することを「希望する」ものなのです。

檀徒(だんと)それぞれに事情がありますから、個々の事情を無視して定額を強制する権利は寺にはありません。寺の厳しい財政事情を考慮して、できる範囲での協力を願う文書と理解し、それぞれが可能な範囲で協力すればいいでしょう。

厳しさを増す寺の財政

こうしたお願いの文書がお寺から出されるのには、それなりの理由があります。寺の財政実態が近年厳しさを増しているからです。

その一例として、法事が近年明らかに減少傾向にあることが挙げられます。

法事は四十九日、一周忌、三回忌(2年目の命日、以下同)、七回忌、十三回忌、三十三回忌、一部宗派で五十回忌とあります。

1990年代までは、十三回忌までは営まれる例が多かったのですが、2010年以降は少子高齢化の影響が大きくなり、一般的には三回忌まで、長くても七回忌までという例が多くなっています。三十三回忌、五十回忌まで営む例は極めて少なくなりました。

これは80歳以上の死亡者が、全死亡者の7割近くと多数派になったことを背景とするもので、死者の関係者が少数化、高齢化したことがもたらした変化です。 

さらに地方では人口減や高齢化で檀信徒(だんしんと)の減少が激しく、財政基盤が弱体化しているところが多いのが実情です。存続危機に立たされている寺院は、全体の3割以上に上るとされています。

したがって、ご質問のように布施の増額を希望する寺院が出てきたことは、何ら不思議なことではありません。

檀家がしなければならないこと

Q 私の家は祖父母の代から今のお寺の檀家となっています。先年死んだ父に寺のことはすべて任せていたので、いざ自分の代になると檀家として何をやらなければいけないかわかりません。檀家としてしなければならないこととは何でしょうか。(50代男性)

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