視聴率急落で「死の谷」にはまったテレビ局の苦悩 激減するテレビCM収入を配信で補う日は来るか
東洋経済オンライン / 2024年4月15日 7時50分
「死の谷はいつまで続くのか」――。いま、テレビ局の将来をそう憂う声が日増しに強まっている。
【図表で見る】”死の谷”に入り込んだテレビ局。テレビ広告費の減少を、TVerなどの配信収入ではまったく補えていない
電通が2月に発表した「2023年 日本の広告費」によると、日本の総広告費は過去最高の7兆3167億円を記録した一方、地上波テレビの広告費は前年比4%減の1兆6095億円となった。
コロナ禍では、ネットフリックスやU-NEXTなど動画配信サービスの利用者が急増。それに押されるかたちで2021年以降、地上波テレビの視聴率は低下に拍車がかかり、テレビ局の収益柱である広告収入の減少がいっそう鮮明となっている。
「3冠獲得」に燃えるテレ朝
日本民間放送連盟(民放連)の定める放送基準では、節度ある広告などを目的に、週間でのテレビCMの時間を総放送時間の18%以内とする規制が明記されている。
放送できるCMの本数(時間)に限界がある以上、カギを握るのはCM1本当たりの単価だ。一般的に、視聴率が高いほど広告主がCM1本(15秒)に対して支払う広告費も上がるとされる。そのためテレビ局にとっては、自社の視聴率がそのまま広告収入に直結すると言っても過言ではない。
その視聴率をめぐり、並々ならぬ闘志を燃やしているのがテレビ朝日だ。
「昨日までの段階で、個人全体では(中略)2冠という状況だ。世帯視聴率では3冠。今日を含めて残りあと6日、最後まで全力を尽くしていきたい」
3月26日に開かれたテレビ朝日の社長定例会見の冒頭、篠塚浩社長は2023年度の視聴率についてそう述べた。
テレビ視聴率には、世帯単位の視聴率である「世帯視聴率」と、個人単位の視聴率である「個人視聴率」の2つがある。さらに時間帯ごとの区分として、全日(6~24時)、ゴールデン(19~22時)、プライム(19~23時)という3つの指標があり、これらいずれの時間帯でもトップをとれれば「3冠」達成となる。
テレビ朝日は昨年3月に発表した中期経営計画で、2025年度までに年間・年度での個人全体視聴率で3冠をとることを目標に掲げている。2023年の年間視聴率は開局以来初の世帯3冠、個人全体2冠を獲得。長年王者であった日本テレビは首位陥落となり、今やテレビ朝日が“視聴率王”に躍り出ている。
「相棒」や「科捜研の女」など、定番シリーズ番組を複数抱えるテレビ朝日。テレビ視聴率を調査するビデオリサーチが公表した、2023年の年間高視聴率ランキング(関東地区)の上位に同社の番組が多数入っている状況からしても、“視聴率王”の座に違和感はない。
この記事に関連するニュース
-
今度は長谷川博己「日曜劇場」連戦連勝の秘密…「イッテQ」「光る君へ」視聴者が「アンチヒーロー」へ大挙流入の訳
プレジデントオンライン / 2024年5月3日 10時15分
-
なぜテレビは万博を「美談」で誤魔化すのか…元テレ東社員が指摘する「大阪万博と東京五輪」の不気味な共通点
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 10時15分
-
【TVer】「TVer Biz Conference 2024」を開催
PR TIMES / 2024年4月25日 17時30分
-
【TVer】「TVer Biz Conference 2024」を開催
Digital PR Platform / 2024年4月25日 17時0分
-
山下智久が木村拓哉を大きくリード? 4月ドラマ“辞めジャニvs新生”対決の勝者は?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年4月18日 9時26分
ランキング
-
1ドンキの“固すぎる”Tシャツがじわじわ売れている 開発者が生地の厚みにこだわったワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月6日 8時0分
-
2「認知症にだけはなりたくない」高齢者が多いが…実は「恐れる必要はない」と和田秀樹氏が断言する“これだけの理由”
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年5月6日 10時0分
-
3「中国市場に頼りすぎていた」資生堂1500人早期退職募集で見えた"名門ブランド企業"3つの低迷理由
プレジデントオンライン / 2024年5月6日 8時15分
-
4なぜラスクをギフト菓子に変えられたのか…ガトーフェスタハラダが「王様のおやつ」で年商200億円を築くまで
プレジデントオンライン / 2024年5月6日 10時15分
-
5アングル:インドIT企業、地方都市へ相次ぎ進出 人材確保やコスト削減狙い
ロイター / 2024年5月6日 8時3分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください