BEV販売に急ブレーキ!新たな局面を迎えた中国 存在感増すスマートカーとファーウェイ系NEV
東洋経済オンライン / 2024年4月21日 5時20分
また、熾烈な価格競争より、短距離移動に対応する小型BEVが対エンジン車に対してもコスパの高さを実現し、長距離走行モデルも、一部はエンジン車に対抗できるコストとなった。
一方、中国における充電スタンドの累計設置台数は、2024年3月末に931万台に達したものの、地域・都市別のインフラ整備の格差が存在している。
BEVにおいては充電時間の課題もあり、普通充電では満充電までに6時間以上かかるのが一般的で、既存の急速充電を利用しても約1時間必要だ。中高級BEVではより短時間での充電を実現しつつあるものの、エンジン車の給油並みの時間で満充電にすることは難しく、公共充電施設での充電時間短縮は依然、課題となっている。
こうして、PHEVも含めた電動化車両の競争力が徐々に向上し、中国のBEVシフトはコスト・性能・利便性の競争から、コネクテッドや自動運転を備える乗車体験、スマート化へと移行しつつある。
地場企業が注力するNOAというシステム
中国工業情報省は、2023年11月に「ICV参入および路上走行テストの試行に関する通知」を発表し、自動運転車両のデータ安全、ソフトウェアの更新(OTA: Over the Air)、遠隔監視システムの構築、事故発生時の責任の所在などを含む、中国におけるレベル3、レベル4自動運転車の立法整備に取り組んでいる。
これを受け、地場企業も相次いで自動運転事業に参入した。地場企業は、路面データを収集・処理できる情報の更新頻度をコントロールできないことや車両のコスト高から、自動運転補助システム(ADAS)と呼ばれるNOA(Navigation on Autopilot)機能を採用し、スマート化を推進する。
NOAは、高精度地図を一定程度は利用するものの、完全には依存せず、車載カメラや車載センサーなどを組み合わせることで、車両の自動停止・加速・車線変更・ステアリング操作などを可能とするシステムだ。これにより地図更新などの手間が省け、自動運転が迅速に普及する可能性が見込まれるという。
シャオペン(小鵬汽車)は2023年11月、同社のADAS「ナビゲーション・ガイド・パイロット(NGP)」向けOTA、「XmartOS4.40」を投入し、2024年には中国200都市での走行に対応すると発表した。理想汽車や上海蔚来汽車も、類似の機能を持つシステムを展開している。
ファーウェイは、「Huawei ADS 2.0」を投入し、複数のセンサーを用いる障害物検知システムを通じ、中国全都市で道路や信号などの識別や車両の制御を実現した。
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