BEV販売に急ブレーキ!新たな局面を迎えた中国 存在感増すスマートカーとファーウェイ系NEV
東洋経済オンライン / 2024年4月21日 5時20分
またBYDは、今年1月に新しいアーキテクチャー「璇璣(XuanJi)」を披露し、車両制御やスマートコックピットなど、それぞれの機能を人工知能(AI)や高性能なコンピュータ―で統合し、高度な運転支援を実現しようとしている。
2024年4月現在、BYDの研究開発者は10万人を超え、そのうち4000人超の専業エンジニアが、スマート化分野の開発に参画。先行するテスラや中国新興勢を追いかけている。
増える「ファーウェイ系」BEV
スマートフォン大手のシャオミ(小米科技)は、3月28日に同社初となるBEV「SU7」を発売し、初日で約9万台もの受注を得た。同社の独自OSである「Hyper OS」が搭載され、シャオミ製スマートフォンなどと相互に接続でき、5月から10都市でNOAの運用を開始する。
CATLとBYD製電池、ヨーロッパの大手サプライヤーの足まわり部品を採用し、インストルメントパネル中央には大型ディスプレイを搭載する一方で、物理スイッチも残した。
このような作りは、シャオミ製スマホユーザーをターゲットにすると同時に、新たにファーストカーを検討する層の取り込みも目論んだものだ。
「クルマを作らない」方針を強調してきたファーウェイは、新たにBEVプラットフォームを開発した。
車載カメラとスマートフォンが連動する機能を備える「HiCar」システム、モーターや電池制御ユニットなどを一体化した基幹部品「Drive ONE」、独自OS「鴻蒙(ハーモニー)」など、各種技術を集約するBEVプラットフォーム「華為智選(ファーウェイ・スマートセレクション)」だ。
この新たなプラットフォームを「問界(セレス生産)」「智界(奇瑞汽車生産)」「傲界(JAC生産)」「享界(北京汽車生産)」などに供給し、自動車メーカーと共同開発車事業を加速している。
中でも問界の販売台数は2024年1~3月に8.2万台を記録しており、中国新エネルギー車(NEV)メーカーの第6位に躍進した。
BEVシフトにともなうアーキテクチャーが変化するなか、コネクテッドカーとスマートデバイスおよびアプリとの相性が良いため、各社が違うコンセプトでルールチェンジされた新たな口火を切った形だ。今後は、ファーウェイ系NEVが大幅に増加すると予測される。
中国市場への対応力がグローバルでの競争力になる
最後に日系メーカーについても、触れておこう。2024年1~3月の日系自動車大手3社の中国販売台数は、ホンダが前年同期比6.1%減の20.6万台、トヨタが1.5%減の37.4万台、日産が3.3%増の16.7万台だった。
この記事に関連するニュース
-
トヨタが「BYDの技術を採用」で呼ぶ大きな波紋 日本メーカーが中国テックに秋波を送る意味
東洋経済オンライン / 2024年5月27日 7時20分
-
中国EV市場「利益なき繁忙」が止まらないジレンマ 黒字化達成の「理想汽車」もやむなく全面値下げ
東洋経済オンライン / 2024年5月17日 18時0分
-
2024 バンコク国際モーターショーレポート概要& BYD編
CORISM / 2024年5月14日 12時12分
-
中国市場から日本車メーカーが駆逐される日
Japan In-depth / 2024年5月12日 18時2分
-
中国EV市場、「新型車を赤字販売」の苛酷な実態 シャオミの攻勢に、ファーウェイが対抗値下げ
東洋経済オンライン / 2024年5月8日 18時0分
ランキング
-
1兄・秀吉とは真逆の性格…仲野太賀が大河で演じる豊臣秀長が長生きしたら徳川の世はなかった「歴史のもしも」
プレジデントオンライン / 2024年6月1日 18時15分
-
2診療報酬改定で6月から初診・再診の負担増 医療従事者の賃上げの原資に
産経ニュース / 2024年6月1日 20時15分
-
3今の日本はなぜ円高になりにくいのか…経済アナリスト森永康平氏に聞いた(児玉一希)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月1日 9時26分
-
4山中に違法な繁殖場「悪徳ブリーダー」偽装の手口 問題業者を野放しにするなら法改正も意味ない
東洋経済オンライン / 2024年6月1日 10時30分
-
5古いテレビを捨てたいです。お金をかけず楽に処分するにはどうすればよいでしょうか?【専門家が解説】
オールアバウト / 2024年6月1日 20時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください