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東郷町長「ハラスメント辞任」激しい呆れの根源 「お前らの脳みそは鳩の脳みそより小さい」

東洋経済オンライン / 2024年4月26日 17時40分

政治家の発言は、ときに「失言」とされて、イメージダウンにつながる。今年の頭には、大分県別府市の長野恭紘市長が、大谷翔平選手からの寄贈グローブを「私が見るだけではもったいない!という事で、市役所正面入口に当面飾ります!」とSNS投稿したことで、子どもたち向けのプレゼントを「私物化している」と大きなバッシングを呼んだ。

筆者は当時、「大谷グローブ飾った市長は結局何がマズかったか」と題したコラムで、「市区町村長といった首長は、権力の象徴と位置づけられている。そもそも、首長も議員も、国政も地方政治も問わず、政治家は常に権力監視にさらされている」と書いていた。

全世界に拡散されるSNS投稿と、町役場内でのハラスメント言動は、同列に並べるものではない。ただ、どちらもひとたび「おごり」や強権発動が透けてしまえば、一気にバッシング対象となる意味においては、近い背景をもつと言えるだろう。

こうした権力の話をすると、「選挙で民意を得た存在だったら、強権を発動しても問題ないのでは」との声が出てきそうだ。しかし筆者は、そうは考えていない。他の候補者に投じた有権者や、未成年のような選挙権のない人たちも含めての「民意」を重んじるべきであり、またそうした人々からの監視下に置かれていることを忘れてはならないからだ。

井俣氏は、2018年選挙が8540票(相手候補は7120票)、2022年が8694票(同6458票)で当選しているが、どちらもそこまで圧勝とは言えない。得票率と支持率がイコールとは限らないが、少なくとも有権者の4割強が、井俣氏ではない人物へ投票していた。その中には、もしかしたら、虎視眈々と失脚の機会をねらっていた者がいるかもしれない。

そう考えてみると、ハラスメント意識の低さに加え、政治家としての危機管理にも乏しかったと言える。今回の調査報告書がなくとも、井俣氏には遅かれ早かれ、それなりの審判が下されていたと考えるのが自然だろう。ネット時代は、アップデートできない人に対して厳しい。地方で起きた事案でも、すぐに全国区のニュースになる。

自然と「ダメ政治家」は淘汰されていくはず

審判を下すうえで、欠かせないのが有権者のリテラシーだ。一見すると「いい政治家」と感じる相手でも、その裏側に何を秘めているかは見えにくい。都合の悪い側面は、誰しもできるだけ隠したいものだ。実際、調査報告書では、井俣氏の1期目からハラスメント行為は行われていたと認定されており、再選時には「裏の姿」が隠されていたことになる。

「裏と表」は、逆もまたしかり。バッシングを受けている人物でも、その政策や語り口を見てみると、意外と自分にフィットしている場合がある。あらゆるフィルターを外して、フラットな視点で見ることで、自然と「ダメ政治家」は淘汰されていくはずだ。

城戸 譲:ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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